数日前に、今まだ放映中のドラマ「砂の器」のサントラ盤を手に入れた。 ま、要するに、HMVに予約して、発売と同時に送ってもらったわけだ。 ドラマではまだ断片的にしか聞けない「宿命」全2楽章を、 もう10回以上聞いた。 いいメロディーである。 どこかで聞いたようなメロディー、、、なんてことは私には関係ない。 いいメロディーが聞ければそれでよい。 映画の「宿命」のメロディーも好きだったけれど、今度のもそれに劣らない。 オーケストレーションも曲の終わり方も今回の方がうんとすっきりしている。 そういう意味では、先輩を凌ぐ作品と言っていいと思う。 けれども、映画の「宿命」にはいろいろと不満な点があったにしても、 メロディー以外にもうひとつ大きな魅力があった。 それは、メインテーマが何度も何度もうねるように現れることである。 それは、まとわりついて離れない宿命の糸を思わせる。 和賀英良の悲劇は、離れたつもりでまたまとわりついてきた宿命の糸を 断ち切ろうとして起こったのである。 もともとは、自分で望んだ運命ではないのに、執拗にまとわりついてくる。 そんな自身の宿命に対する狂おしい思いが、音楽にも表れていた。 新しい「宿命」には、そういう魅力はない。 要するに、どちらも好きだけど、どちらもちょっと残念といったところである。
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