TENSEI塵語

2004年03月09日(火) 「砂の器」の音楽

数日前に、今まだ放映中のドラマ「砂の器」のサントラ盤を手に入れた。
ま、要するに、HMVに予約して、発売と同時に送ってもらったわけだ。
ドラマではまだ断片的にしか聞けない「宿命」全2楽章を、
もう10回以上聞いた。
いいメロディーである。
どこかで聞いたようなメロディー、、、なんてことは私には関係ない。
いいメロディーが聞ければそれでよい。
映画の「宿命」のメロディーも好きだったけれど、今度のもそれに劣らない。
オーケストレーションも曲の終わり方も今回の方がうんとすっきりしている。
そういう意味では、先輩を凌ぐ作品と言っていいと思う。
けれども、映画の「宿命」にはいろいろと不満な点があったにしても、
メロディー以外にもうひとつ大きな魅力があった。
それは、メインテーマが何度も何度もうねるように現れることである。
それは、まとわりついて離れない宿命の糸を思わせる。
和賀英良の悲劇は、離れたつもりでまたまとわりついてきた宿命の糸を
断ち切ろうとして起こったのである。
もともとは、自分で望んだ運命ではないのに、執拗にまとわりついてくる。
そんな自身の宿命に対する狂おしい思いが、音楽にも表れていた。
新しい「宿命」には、そういう魅力はない。
要するに、どちらも好きだけど、どちらもちょっと残念といったところである。


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