TENSEI塵語

2004年01月03日(土) 靖国参拝問題(2)

朝刊(朝日)を読んで、あきれてしまった。
テレビのニュースをまったく見ていないので、まずその写真にドキッである。
羽織袴姿で、神官に導かれて歩いている姿、、、いいんかいなー。。。
彼の言葉がいつも虚言で埋め尽くされていることは感じているが、
それにしても、インタビューの返答は何という愚かな返答であろうか。
現状と矛盾していることでも、しゃあしゃあと答えている。
テレビでも同じような言葉が伝えられたのだろう。
私のようなつまらない人間でも、こんな恥ずかしい返答はできない。
出演料100万円くれると言っても、断る。

Q なぜ元旦に参拝したのですか?
A 初詣という言葉があるように、日本の伝統じゃないですかね。
  多くの方々が各地の神社に参拝しています。いいことだと思います。

そんなら、いつもの格好で、いつも行ってるところに行けぃ!
だいたい、そんなこと聞いてるんじゃないんだよね。
記者も記者だ、なんでもうちょっと突っ込まないんだ?

Q 献花料は私費ですか?
A いつも通り。形式にはこだわりませんから。

靖国参拝自体が形式にこだわっている証拠なんだけどなぁ。。。
献花料は私費かも知れないけど、記事部分にはこうある。
「秘書官らに連絡が入ったのが午前9時ごろ。それから靖国神社に連絡して
 工事中の道路を首相の公用車が通れるようにし、、、」
むしろ、献花料を私費にしたことの方が形式的だったんじゃないの?

Q 自衛隊の安全も祈りましたか?
A ・・平和のありがたさ、これからも日本が平和のうちに繁栄するように、
  さまざまな思いを込めて参拝しました。

初詣に来て、自衛隊の安全を祈ってあげないとは、どういうわけだぃ?
それに、わざわざ戦火を広げることを支持してきた人が、
平和、平和としゃあしゃあと口にできるところがすごいところだ。
その何時間か前には、バクダッドでまた死傷者が出ているというのに。。。

極めつけは、次の応答である。

Q 中国などの反発が予想されますが。。。
A どこの国でも、その国の歴史や伝統を尊重することに
  とやかくは言わないと思います。
  そのへんは理解していただけると思います。
  (中国なども)だんだん理解していただけると思います。

そりゃあね、首相が「伝統行事としての初詣」をいつもの神社でしたって、
だれもとやかくは言わないけどね。。。
で、案の定、激しい反発が来ているようだ。

「侵略の歴史を反省するという、小泉首相の約束は破られた。
 こうした背信行為を中国人民は決して受け入れられない」
「新年早々、また隣国の被害者の傷口に塩をまき、
 人民の感情を傷つけただけでなく、日本の外交をも損ねた」
「小泉政権にはもう中日関係の強化は期待できない。
 首脳往来は今年も実現できないだろう」

私ははなはだ勉強不足なので、この過激な靖国への意識の真相が
今ひとつつかめないのだが、これが現実の反応なのである。
これをないがしろにして、安易に「理解していただける」と言ったり、
毎年のようにこうしてもめ事にしたりしているのは、憲法に反している。
なぜなら、憲法第9条で、戦争・戦力放棄という大胆な理想を掲げたのは、
ひとえに外交に配慮し、よき外交を作り上げていけと命じているからである。

まあ、小泉くんも苦しいのだろう。彼自身はイヤなのかもしれない。
総裁選で、靖国参拝を公約してしまったために、
苦しい選択を毎度毎度強いられているのかもしれない。
自民党内での約束よりも中国との約束を守る方が平和のためになると思うが、
とにかく恐ろしいのは、そんな公約をしないと総裁にしてもらえないという
自民党の体質である。何考えてんだ、あいつらは。
それにまた、そんな公約をしておきながら、
「侵略の行為を反省する」と軽々しく中国に言ってのけるのも恐ろしい。
その場しのぎの場当たり的な虚言を振りまいていると、ますます問題がこじれてしまうものだ。


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