TENSEI塵語

2003年12月29日(月) 「BR」「DH」を思い出して、、

今夜も「映像の世紀」を見た。見ずにはいられなくなってしまっている。
今回は、アメリカにとってのベトナム戦争がテーマだった。
結果として、アメリカにとって実に無駄な戦争であったばかりでなく、
国内にもさまざまな混乱をもたらしてしまった、ということになる。
こんな風にたった2行でまとめてしまっては申し訳ないほど、
番組の中身は豊富だったのだが、この番組を見ながら、
いつも思い浮かべていたのは、「ディア・ハンター」という映画である。

大学時代に見たきり、それ以来見ていないのでかなり忘れている。
けれども、あの映画を見たときの恐ろしい感情は今もよく覚えている。
そのひとつは、主人公と2人の友人たちが北側の捕虜となり、
ロシアン・ルーレットをやらされているときのあの恐ろしさである。
何という残酷な賭け事をしていたんだ、、、と憤ったものである。
それ以上に恐ろしく感じたのは、主人公の友人の1人が、
戦後帰国して、恐ろしいほど虚無的に生活していた姿である。
その経緯がどうであったか、もう映画の内容はよく覚えていない。
彼は、主人公とロシアン・ルーレットをして、自らこめかみを撃って死んだ。

・・・こりゃダメだ。もう1回見てみなけりゃいけない。記憶に自信がない。
DVDを買ってあるのに、まだ見ていない、、、こわいからだ。。。

番組を見終わってあれこれ考えているうちに、
ふと、「バトル・ロワイヤル」を思い出した。
本は読んでいないが、だいぶ前にビデオを借りて見た。
噂に聞いていた時より、ビデオを見たら多少救いが感じられもしたけれど、
何でこんな話を思いつくんだぃ、という思いは見る前も後も変わらなかった。
あまりにもひどい設定としか思われなかったのだ。
けれども、小説の作者と映画の作者の意図とは関係ないことを言うようだが、
戦争というものはああいうものなんだ、とふと思ったのだ。
ある権力集団が、勝手にバトルを企画する。
そんなことを願いもしてないのに、偶然その時代にそこにいたというだけで
そのバトルに巻き込まれて、生死の境に置かれる。
兵士とさせられた以上、戦わなければ殺されると、絶えず脅されて戦う。
そして、多くの人々が、あっけなく無駄な死を遂げてしまう。
生き残ることができたのはうれしいかもしれないけれど、
大切なものを失ったという傷はいつまでも残る。。。

理不尽な死は、日常生活の中でもそこら中で待ち伏せしている。
けれども、戦争はそれ以上の、理不尽な大量虐殺へと駆り立てる。
好んで民衆をそれへと導く権力者たちの精神構造は、いったいどうなってるのだろうか。。。


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