| 2003年08月09日(土) |
「12人の怒れる男」H.F版 |
昨夜遅くに、先日「優しい日本人」とともに買った 「12人の怒れる男」のヘンリー・フォンダ版を見た。 もうわかっている内容なのに、煙草を吸うのも忘れて見入っている、 時折の間合いに登場人物たちが煙草を吸い始めるので、 それにつられて私も煙草をくわえる、という風に見続けた。
これは、とにかくまず極上の推理ドラマである。 最初に、ただ1人「有罪とは言えない」と意思表示をして話し合いを求めた 8番陪審員さえ、当初は漠然とした疑問を抱いてるだけらしい。 それが次第に、裁判での証言の信憑性がなくなって行くという展開で、 全員が「有罪でない」という評決にまとまって行くというわけである。 犯人探しや真相に辿り着くわけではないので、 そういう推理好きにとっては物足りない推理ドラマかもしれないが。。。 なお、字幕の「無罪」という語がひどく気になった。
陪審員制度というのは民主制度のひとつの形態なのだろうけど、 それを成り立たせるのは〈良心〉だということを強く感じさせてくれる。 最初にこのひとつの〈良心〉がなかったら、 なんの吟味もなく、評決は12対0の有罪、少年は電気椅子へ、、、 となっていたわけである。 (こういう映画が作られたということは、 その程度の陪審も多かったということなのだろうか、、?) この〈良心〉が、裁判では指摘されなかったさまざまな発見を導き、 他のさまざまな思惑にとらわれた人たちの〈良心〉を呼び起こして行く。 この展開が、推理ドラマに一層の緊張感を与えているようである。
最後の最後にただ1人有罪を主張する3番陪審員の演技がみごとだった。 ただ、あの名セリフがなかった。 「今裁かれているのは被告であって、あなたの息子さんではありません」 これが8番陪審員から出ると思って待っていたけれど、なかった。 ちょっと最後の緊迫した場面で、拍子抜けしてしまった。 どうやら、リメイク版のオリジナル・セリフらしい。 先日リメイク版を見たときに、このセリフは初めてでないような 気がしたのだが、リメイク版もずっと前に1度見て忘れていたのだろうか? 「優しい日本人」のこの場面は、リメイク版のパロディだったようだ。
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