2001年09月16日(日) |
テロ事件の行方は?(2) |
米議会で武力行使が決議された。 パキスタンの協力はすでに得られることになっている。 イランでさえ「沈黙の協力」をする可能性があり、 タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンも、ロシアとの協議次第という。 アフガン包囲網を着々と狭めつつある。 一方、ビンラディンの居所はつかめず、イラクに逃亡した可能性もある。 また、タリバーン政権は、アフガニスタンが報復攻撃を受けた場合は、 アメリカに協力した隣接国に報復すると声明。。。
米議会の反対投票は1票だけだった。 「だれかが抑制を利かせねばならない。 武力行使が世界的に暴力の悪循環を生みかねない」
朝刊にこんな意見を書いている人がある(佐渡龍己氏)。 「テロリズムとは何か。 テロリストが狙っているのは貴方の心である。 テロリストは、世界中の人々がどのような感情を抱くかを計算している。 その最終的な目標は、国際的関心と国際世論の獲得なのである。
テロリズムは、自己の信念を固守する人、ある強い信念を抱く一部の人々が、 その信念を脅かされたときに不安・恐怖を感じ、 権力者を追い出し、政策を変えさせるために起こす。 権力者を直接に脅すだけでなく、国内外の民衆に恐怖を与えることで 間接的にも権力者を脅し、そして過剰報復させて国際世論を操作し、 権力者に圧力をかける、という恐怖を運用するシステムである。 つまりテロリズムは『脅し』という精神的な強制行為を手段とする戦争なのだ。 この戦いは人々の心を戦場とする」
「脅しという手段を使い、被害者の怒りを逆手に利用するテロリズムに対して、 怒りはテロリズムを助長する源である。復讐によっては問題は解決しない。 日本国民一人ひとりが冷静に事態を判断し、 日本独自の世界平和達成に貢献する地道な道を進まなければならない」
なるほど、と思う。 しかし、今回のあのあまりにも残虐な手口も改めて思い出すと、 そんな生ぬるいようなことを地元民や関係者たちに望めるだろうか、とも思う。 けれども、それが相手の思うつぼであり、悪循環の環になるのだ。 いずれまた、今回は何事もなかった人々の上に残虐な大量虐殺の運命が降りかかる。 ある日突然、まったく思いがけない瞬間に、不条理な死が襲いかかる。 そして、根を断つ努力を怠ったことを忘れ、ただ怒りにまかせて報復合戦。。。
日常生活でも、喧嘩をふっかけられたら相手にしないのが1番という。 やはり、大統領もぐっとこらえて、国民の怒りを静めるのが得策であろうし、 小泉さんも、日本国憲法の下での首相であれば、即座に「報復支持」などと 言うべきではなかった(これは、その報道の時にすぐに思った)。
現実には、今さら何をどう言おうと、報復攻撃は実行されるだろう。
でも、やっぱり常々考えておかなければならないことは、 報復をやめ、平和への道を、と言うは易しだけれど、 実際のところ、建設的に何をしたらいいのか、どうするといいのか、ということである。
佐渡氏が書いている「日本独自の方針」を一応書き抜いておこう。 こういうものなのかどうか、私には未だ勉強不足で判断できない。 これから、今までより真剣に考えるための参考資料の1つとして。
1、テロリズムの発生原因の解決に寄与すること。 具体的には、医療援助、井戸・橋・道路・学校の建設、耕作地増設など、 民衆のためになる人的援助を強化すること。 2、日本が間に立って話し合いの場を持つこと。 3、離脱したテロリストが逃げ込める「逃れの町」の制度を作ること。
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