TENSEI塵語

2001年09月15日(土) テロ事件の行方は?

3時間近くかかって、昨日の朝・夕刊ときょうの朝刊の関連記事を読んだ。
テレビのニュース番組を見た方が早いのだが、なかなかテレビの前に座れない。

要するに今のところはこういうことだ。
首謀者と断定できるビンラディンの身柄引き渡しを、
アメリカはパキスタン政府を通じてアフガニスタンのタリバーン政権に求めたが、
タリバーンはそれを拒否し、「でっちあげだ」との見解も発表されている。
アメリカはいずれ、ビンラディンの武力集団に対し、報復のための軍事行動に出るだろう。

もっとも興味を引いたのは、今朝の朝日の「自爆テロ」の記事である。
イスラム過激派ハマスは、「自爆者」を集め(あるいは養成し?)ている。
イスラム教は自殺を禁止しているが、自爆は殉教として「天国への道」となる。
ある学生の遺書には、「神に与えられた使命」として誇らしげな自爆の決意が記され、
その両親も「息子のおかげで自分たちにも天国が約束された」と考える。
パレスチナを覆うこの風潮が、今回の、日本の大戦時よりも過激な「特攻」作戦を可能にしたわけだ。
日本の特攻が、追いつめられ兵器が乏しい中での、苦肉の策の狂気であったが、
今回の「特攻」は、それをはるかに凌ぐ狂気である。

突然、身内や友人を奪われた者からすると、何らかの報復なしでは気が済むまい。
しかし、報復は報復を呼び、火を消さないでいればますます激しく燃え広がる。
今回の事件も、早期に火を消さなかった過程の大惨事なのである。
報復は無益である・・・けれども、報復しないで、どう解決できるのだろう。

仮に、ビンラディンの身柄が差し出されたところで、誰がどう裁くのか。
彼の身柄がアメリカの手に渡れば、解放を求めるテロ行為が続発するのではないか。
彼を許すことはあり得ないし、彼を罰すれば、ますます火を大きくすることになるだろう。

軍事行動(戦争)は、無関係な者の生命まで巻き添えにする。
これは絶対に避けるべきである。けれども、じゃあどうすればいいのか。
ハマスの指導者ヤシンは、「多くの民間人を殺してきたのはイスラエル側だ」と、
今回の自爆テロを正当化する。
要するに報復合戦であり、弱小の抵抗軍団側は、これでもまだ腹の虫がおさまらない。

そもそものところ、歴史的に見ればどちらが正義なのか、それすらわからない。
それを判定できるのはいったい誰なのだろう?
そうして、宗教指導者が憎しみと争いしか説けない、とはいったい何なのだろう。
そうしてそんな宗教のために殉死の至福を味わえるのも、まったくわからない。
オウム事件の際の謎が、また再燃するような思いである。

世界を救うには、イエスの再臨か、ゴルゴ13の登場しかないのかも知れないなぁ。。。


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