3時間近くかかって、昨日の朝・夕刊ときょうの朝刊の関連記事を読んだ。 テレビのニュース番組を見た方が早いのだが、なかなかテレビの前に座れない。
要するに今のところはこういうことだ。 首謀者と断定できるビンラディンの身柄引き渡しを、 アメリカはパキスタン政府を通じてアフガニスタンのタリバーン政権に求めたが、 タリバーンはそれを拒否し、「でっちあげだ」との見解も発表されている。 アメリカはいずれ、ビンラディンの武力集団に対し、報復のための軍事行動に出るだろう。
もっとも興味を引いたのは、今朝の朝日の「自爆テロ」の記事である。 イスラム過激派ハマスは、「自爆者」を集め(あるいは養成し?)ている。 イスラム教は自殺を禁止しているが、自爆は殉教として「天国への道」となる。 ある学生の遺書には、「神に与えられた使命」として誇らしげな自爆の決意が記され、 その両親も「息子のおかげで自分たちにも天国が約束された」と考える。 パレスチナを覆うこの風潮が、今回の、日本の大戦時よりも過激な「特攻」作戦を可能にしたわけだ。 日本の特攻が、追いつめられ兵器が乏しい中での、苦肉の策の狂気であったが、 今回の「特攻」は、それをはるかに凌ぐ狂気である。
突然、身内や友人を奪われた者からすると、何らかの報復なしでは気が済むまい。 しかし、報復は報復を呼び、火を消さないでいればますます激しく燃え広がる。 今回の事件も、早期に火を消さなかった過程の大惨事なのである。 報復は無益である・・・けれども、報復しないで、どう解決できるのだろう。
仮に、ビンラディンの身柄が差し出されたところで、誰がどう裁くのか。 彼の身柄がアメリカの手に渡れば、解放を求めるテロ行為が続発するのではないか。 彼を許すことはあり得ないし、彼を罰すれば、ますます火を大きくすることになるだろう。
軍事行動(戦争)は、無関係な者の生命まで巻き添えにする。 これは絶対に避けるべきである。けれども、じゃあどうすればいいのか。 ハマスの指導者ヤシンは、「多くの民間人を殺してきたのはイスラエル側だ」と、 今回の自爆テロを正当化する。 要するに報復合戦であり、弱小の抵抗軍団側は、これでもまだ腹の虫がおさまらない。
そもそものところ、歴史的に見ればどちらが正義なのか、それすらわからない。 それを判定できるのはいったい誰なのだろう? そうして、宗教指導者が憎しみと争いしか説けない、とはいったい何なのだろう。 そうしてそんな宗教のために殉死の至福を味わえるのも、まったくわからない。 オウム事件の際の謎が、また再燃するような思いである。
世界を救うには、イエスの再臨か、ゴルゴ13の登場しかないのかも知れないなぁ。。。
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