一昨日「ループ」を1日で読み終えて(もちろん部活も市吹もあったけど)、 昨日、読後のごちゃごちゃを整理するために、3作の要点をまとめてみた。 これはなかなか大変な作業だった。 「ループ」とは要するに何だったのか、これを簡潔に説明するために、 もう1度本をパラパラ開いて、要所を熟読しなければならなかった。 また、読むのに夢中にさせられた壮大な部分を多く削ってでも、 とにかくまず単純な大筋をまとめようと、取捨選択に苦しんだ。
読後の余韻はまだ響いている。大変な世界を体験させてもらったものだ。 「らせん」など、渋滞中の車の中で、ついつい開いて、 ちょっと読んでは車を進め、またちょっと読んでは車を進め、、、 それほど展開が気がかりでたまらなくなる物語だったわけだ。
きょう、たまたまCD屋で「リング」「らせん」のDVDのケースを見たけれど、 やたらと不気味なデザインが施してある。 たぶん、映画もやたらと不気味に作ってあるのだろう。 文庫本の表紙も、いやになるほど恐怖の世界を表現しようとしている。 けれども、「らせん」と「ループ」はそういう物語ではないのだ。 確かに、科学的事象のはざまに生じた怪、には違いないのだろうけど、 幽霊とか怪物とかに恐れおののくような、そんな物語ではなくなっている。
そしてそれよりも、この世界の、この宇宙の存在自体の謎というものに、 いっそう刺激的に思いを広げさせてくれたことを歓迎するのである。
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