たりたの日記
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2018年05月17日(木) 腹水の問題

先日のステント入れ替えのタイヘンさは、わたしのオエッ、オエッに原因があった訳ではなく、入り組んだカーブをバルーンを膨らませながら少しずつ進めなくてはならず、そのためタイヘンな作業となったようだった。

で、この事も昨日医師から聞いたのだが、今回のステントは前回までの樹脂製のステントではなく、ワイヤー式のセルフエクスパンダブルステントというもので、2、3日かけて、ワイヤーが体内で徐々に広がってくタイプのものらしい。調べてみると、金属ステントは樹脂のものに比べ、長い間詰まらずに使い続けることができ、多くは 3 ヶ月~数年機能するが、ただし金属製ステントを一度入れた場合は取り出すことができま せん.樹脂製ステントは閉塞した場合は取り出す事ができないとある。閉鎖しないで機能してくれるのを願うのみ。
しかし、金属製のステントが入った事で、マイクロ波による温熱療法は今後受けられなくなったということだ。この事は受け入れよう。

さて、ステントはひとまず体内におさまったが、問題は次々と出てくるものだ。ここ数日間苦しめられているのは腹水によるお腹の張りと、夜中の激しい身体の痒み。

幾分か腹水は溜まっていて、ズボンのサイズが合わないということはあったが、ステントを入れた翌日はお腹の横と言わず前と言わず、もうこれ以上お腹の皮が伸び切れないほどに腹部が張った。1日で体重は2キロ増になったが、それは体内に溜め込まれた水のせいだ。当然胃が持ち上げられ、起きても寝ても苦しい。
それなのに、一昨日夜からの電解質の水分やブドウ糖補給のための24時間点滴が体内に注入されている。朝、看護士に、食事もとれるようになったから、点滴やめたいんですけどと訴えてみたが、医師のオーダーで、明日の朝までやることになっているから変更できないと言う。

夕方、ずんずん張っていくお腹と、目の前にぶら下がっている点滴の大きな袋を見て、ぞっとしてしまった。医者はオーダーは出しても、わたしのこの状況は知らない。看護士の判断では医師のオーダーは変えられない。医師は忙しく、捕まらないから患者の訴えも届かない。それなら、患者は何とか自分で自分の身を守ることしかないのではと、行動に出る。
ナースステーションに行き、今、水でお腹がパンパンになっていて苦しいです。これ以上水分が注入されるとお腹が破裂します。とにかく、点滴を止めて下さい!と大袈裟にも必死な訴え。聞いてくれた看護士が良心的な人で良かった。医師に確認しますが、まずは止めますねと点滴を止めてくれた。
2キロの体重増加のこと、利尿剤を処方して欲しい旨を医師に伝えてもらいたいところだが、医師は今手術中で、その後も捕まるかどうかわからない。でも、なんとか頑張って捕まえてます!と頼もしい味方についてくれ、ほっとする。
やがて医師と連絡がつき、点滴はめでたく終了となったが、利尿剤は夜飲むと眠りの妨げになるから明日の朝ということに。

肝機能の低下で溜まった腹水は、自力ではどうにもならないのだ。パンパンのお腹を抱えて一晩中眠れずに苦しむなら、何度もトイレに立ちともかくも水を体外に出す方がどれほどよいことか。
幸い、夜に病院に来てくれた夫に、以前もらっていた利尿剤を持ってきてもらっていた。しばらくは指示に従い服用を我慢したが、あまりにつらいので、夜9時過ぎ、自己責任で利尿剤服用。
確かに夜中の2時頃まで、30分から1時間起きにトイレに立ったちその間の睡眠には支障を来したが効果はあり、大量の排尿の度に、お腹の張りはいくぶん楽になった。体重を計ると1キロ減になっていた。その後は、何とか朝まで眠れたのである。翌朝、体重報告の時に看護士に夜かってに利尿剤を飲んだことを告白すると、残りの手持ちの薬は没収されてしまったが。

しかし、この利尿剤で腹水の問題は解決してはいない。昨日、今日と、朝と昼 利尿剤は飲むが、一昨日の夜のような効果はなく、尿の色も酷く濃い褐色で少量。お腹の張りは胃を圧迫し続ける。この傾向は夜ほど強くなるようで、一昨日も昨夜も、ご飯は一口も食べられなかった。おかずだけは、特別に肉と魚を使わないず卵と豆腐メインの病院食に替えてくださっているので、少量でも食べる。

腹水が溜まることで、食欲不振になり、そのため衰弱するとあったから、朝から昼にかけて、まだ食べられる時に、豆乳、甘酒、アイスクリーム、ゼリー、と口にできるものはできるだけ摂ることにした。この場合、糖質制限よりエネルギー補給を優先すべきだろう。夜もご飯がだめならバナナやエネルギーチャージ、口にできるものからカロリーを摂ることにしよう。

夜中の痒みについては昨日処方される痒み止めの薬を医者が忘れていたためにもらえなかったので、今日は朝から、何度も看護士にせっつき、処方を出してもらったから、何とか解決できるのでは。
根本的には黄疸からくる痒みなので、本当の解決にはならないとしても。

もうひとつ、今朝医師から入った新しい情報。今回のステント挿入の際、胆汁を採取し、それを検査したところ、今まで血液検査では見つからなかった菌が新たに見つかり、それは今までの抗生物質には効かない菌なので、今日から抗生物質を変えるということ。
それで、これからこれからさらに1週間以上の入院となること。
明日退院という事だったのに!
でも、原因不明の熱がこの胆管炎の菌によるもので、それに合う抗生物質で治療を始めることができた事はよかったというべきか。

こんなことなら、最初のステント挿入の際、胆汁を採取すれば済んだのではないか、また、最初からしっかりと時間をかけて今回のようなステントを挿入すればよかったのではないかと疑問も残るが、この世界では、それなりのマニュアルがあるのだろう。

ちなみに、新しく使い始めた点滴はバンコマイシンというもの。調べてみると、

ペニシリン等のβ-ラクタム系抗生物質とは作用機序が異なるため、ほとんどの抗生物質が効かないメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) を殺菌できる[1]。このため、過去には最強の抗生物質といわれたこともあった。とある。
そこで、このメチシリン耐性黄色ブドウ球菌について調べると以下の通りであった。

そもそも薬剤耐性菌であるため薬剤の使用が多い病院で見られることが多く(耐性菌は抗生物質の乱用により出現すると言われている)、入院中の患者に発症する院内感染の起炎菌としてとらえられている。

えっ!抗生物質の乱用により発症する、院内感染の起炎菌!

この暮れから入院の度ごとに効くかどうか定かではないまま大量の抗生物質を投与されたその結果ということになるのだろうか?

見つかった菌の名前を医師から聞いてはいないから実際のところどうなのか分からないい。院内感染の菌だとおおごとになるので、それではないのだろう。抗生物質の多量投与、これもまた、日本の医療現場のマニュアルに従えばならではのことなのだろう。そして、元を正せば、それを選択しているわたし自身の責任ということになるのだろう。

最後に良い事もひとつ。
昨日、都内の友人が訪ねてくれ、7年振りに再会した。家族のその後のことなどいろいろ話しを聞く事ができてよかった。シリアスな話はここのところ面と向かって聞くと、疲れてしまってまた熱が出たりするので、途中からはお互いに曼荼羅カラーリングをしながら話をした。彼女ならではの清々しい爽やかなカラーリング!こんな風に一緒に時間を過ごしたことは初めてだったかも。2時間ばかり、共に過ごしたこの時間のことは良い思い出になることだろう。


たりたくみ |MAILHomePage

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