たりたの日記
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2018年03月16日(金) |
映画「アリスのままで」と 「君に読む物語」を見ながら |
この2日間に家で観た映画、「アリスのままで」と「君に読む物語」はどちらもアルツハイマーや認知症をテーマにしたものだった。 今まで避けてきたテーマだったが、自分の父の事や父と家族とのかかわりの事など、過去の振り返りや気づきに加え、その当事者にもなり得る我が身についても思いを巡らす機会となった。
土に還る前に、生きたままで、貧しい存在となっていく人々を、そして自分の家族や自分自身をどう受け止めるのか、これまで漠然とした言葉にならなかった思いが少しはっきりしてきたように感じた。貧しい人として、その全部を神に抱きかかえられ、神の国へと迎えられている人達の尊さ。 様々な葛藤や困難の中で、それぞれが辛い思いをしながらも、それを通して霊的に育てていただく。 「心の貧しい人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。」 (マタイによる福音書5章3節)
60歳を迎える頃、アルツハイマーと診断され、記憶を失い、知性や能力を失い、人との関係も失っていった父。当時、アルツハイマーは5年ほどの内に死を迎えると言われたが、それでも父は83歳までは生き、母が亡くなって8ヶ月に他界した。まるで、母の一生に無事見届けたとでもいうように。
帰省の度に父の施設に通っていた時、わたしが誰かも分からなくなり、何の言葉も発しない、父の側にいた時、その空間が不思議な安らぎに満ちていた事を思い出す。身体はこの世に残しながらも、魂は天上の方々と交流しているのではないかしらと思ったことも。
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