たりたの日記
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2007年03月13日(火) |
東北旅日記5 < いわて銀河鉄道から花巻線> |
3月4日午後3時、盛岡駅からいわて銀河鉄道に乗る。 この電車からは予想した通り、車窓いっぱいに岩手山が広がっていた。 電車は岩手山の東側を走っているので、小岩井農場から見えた岩手山の姿が、電車の進路と共に少しづつ形を変えてゆく。 滝沢、啄木のふるさと渋民、好摩と進む間に山の形は左にゆるやかに長く伸びていた形から、三角形のきりっとひきしまった姿になった。 ここ好摩は八戸まで続くいわて銀河鉄道と秋田県の大館までつづく花輪線の分岐点。電車はここから花輪線を辿る。花輪線は岩手山を左回りに取りかこむように走っているので、小岩井農場から見た山の反対側を見ることになり、今度は山は右側に長く裾野を伸ばしているのだった。
八幡台に近づくに連れて、雪が深くなっていく。それにしても、電車が雪景色の中を走ってゆくのはいい。美しい冬の田畑や山がゆっくりと流れ去ってはまた新しい風景が立ち表れる、ローカル線の旅はいい。 盛岡を出て大館までおよそ三時間、31駅の花輪線の旅はこの3日間に乗った電車の中で最も満足した電車だった。実際、これほど、長い時間をただただ景色だけを楽しみながら電車に乗ったことが今まであっただろうか。その3時間は移り変わる景色を観ることで忙しく、本を開いたり、目を閉じたりする暇もなかった。 昨日の段階でデジカメの電池が切れてしまって写真や動画が写せないのがなんとも残念だった。
大館着17時55分。そこから奥羽本線秋田行きに乗り換え、森岳まで10駅。約1時間。 わたしの実家の町の駅のように小さな素朴な森岳駅に降りた。Sが出迎えてくれていて、名前を呼び合ってハグする。と、後ろからSより30センチ背が高い、Sのダーリンが現れる。優し気な顔でにっこり笑っておられる。 「はじめまして、たりたです」 あわててご挨拶するものの、初対面の緊張もなくSのお宅へ。
この後Sのお宅で、おばあちゃまと旅の話などをしながらお茶をいただき、、八郎潟干拓地の大潟のホテルへ案内していただく。S夫妻といろいろとおしゃべりしながら食事やワインをいただき、夜はSとわたしだけそのホテルに泊まった。 どこまでも広々と広がる静かな平野の中のホテルの、それは静かな夜。
休む前に二人で、Sが好きなメリー・ニール(女子洗足カルメル修道会シスター)の「どう祈ったらよいか」を、英語と日本語で交代に読む。 観想の祈りについての深い示唆をいただく。
( 写真は、花輪線 八幡平駅付近から八幡平を望む。)
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