たりたの日記
DiaryINDEX|past|will
小法師ぷろ、板垣正義氏の朗読会を聴きに、さいたま芸術劇場へ。
板垣さんの朗読は2年振り。しかも今回はお一人でなさる朗読会という事だったので、いろいろな用は後回しにして出かける。
映像ホールのこじんまりした静かな空間で、人の声で語られる文学作品を味わい楽しんだ。 プログラムは
夏目漱石の<夢十六夜>より「第十六夜」 太宰治の「リイズ」 中島敦の「山月記」
「第十六夜」と「リイズ」は読んだことがなかったので、朗読に導かれながら、その世界の内側へと入っていくという楽しさや、わくわくする感覚があった。 その二つの作品に共通するほのぼのとした印象や、ユーモラスなオチは板垣さんのお人柄ならでは、テキスト、また朗読だと感心した。
中島敦の「山月記」はとても好きな作品で、いつか朗読で聴きたいと思っていたので、今回、板さんの朗読で聴くことができて幸いだった。 あの作品の格調の高さを声の調子やリズムで良く表現されていたが、夜中の藪や、月の光に照らされた山の上の虎の姿といった美しい映像が、しっかりと見えるのだった。
4年前、このさいたま芸術劇場の小ホールで上演したミュージカル「森の奥」では森の老人(仙人のような存在)を演じた板垣さん。あの時、わたしは子猫を探して森に迷い込んだたけるのママの役を演じた。 台詞と歌。ソロに、デュエット。現代舞踏家の振り付けによるダンスもあった! あのミュージカルの劇団は解散したが、板垣さんも、わたしも舞台とは今でも縁が切れないようだ。
|