たりたの日記
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2006年08月02日(水) 桜島を眺め、開聞岳に登る

ようやくパソコンを使える。
今のうちにこの2日間の事を書いておくとしよう。

まず31日昼前に鹿児島空港着。
天文館でこむらさきラーメンを食べた後、ホテルで桜島を眺めながら温泉に浸かり、フェリーで桜島へ渡る。
溶岩なぎさ遊歩道をしばらく歩いた後、有村溶岩展望所へ。
ダイナミックな溶岩の原。目の前に聳える巨大な活火山、桜島。
その山頂かはもくもくと煙を吐いている。
かつて、その火山から溶岩が流れ出し、その辺りを埋め尽くしたその場面を想像する。生きている星、地球。 この星の真ん中で沸沸とたぎっているマグマのことを想う。

古里温泉は桜島の南岸、荒磯に面した場所に沸く温泉。
海際にある、古里観光ホテルの露天風呂へ入ってみて驚いた。
この温泉はどこかのお寺が管理しているらしく、露天風呂の奥まったほこらには観音様が据えてあり、、どうみても寺のお御堂といった様子。
果物などの供物なども置かれている。

で、そこでの入浴だが、受付で、柔道着のような浴着を渡される。
どうやら、海に面したその露天風呂は混浴で、その浴着を着て入るきまりになっているらしい。浴着の背中にはお経が書かれており、入浴そのものが宗教的な行為といった感じだ。 奇妙なシチュエーションだが、潮の匂いを嗅ぎつつ、夕暮れの海を眺めながらの露天はなかなかのものだった。
しかし、何か、じっとりと重いエネルギーが漂っていて、冒険心は満たされたものの、おっかなびっくりといった感じ。mGと二人だったから露天にも入れたものの、一人だったら怖かったかもしれない。


翌朝、晴天の夏日。窓の前面に広がる桜島は一段と力強い。
予定通り開聞岳へ登れる!
昨日、海辺の露天からはるか遠くに見えていた、すっきりと美しい富士山の格好をした薩摩富士の異名を持つ山。
薩摩半島の南端にそびえ、太平洋と東シナ海に突き出した山。
mGはここのところ、血圧が高く、登山は止めているので、登山口まで車で送ってもらい。わたし一人で登る。 36度という気温で海抜0度の位置から、標高924mの山に登るのだから、かなりの暑さが予想される。 山の中には水場もトイレもないということなので、行きのコンビニでスポーツドリンクやお茶、2ℓ分買う。

さて、十分予想はしていたものの、登山口に人影はない。
関東周辺の山とは違って、九州の山はいくら日本百名山とは言っても、あまり登山客は多くはない。しかも真夏の時期はさらに少ないようだ。去年の阿蘇もそうだった。



ともあれ、心細い気持ちをなだめて、ひとり山の中へ。
山の中はその入り口から、うっそうと暗く、まるでジャングルに足を踏み込んだような感覚だった。登山道は深い溝のように掘り込まれていて、深いところはわたしの背丈を越えるほど。 何か、人の侵入を拒むような空気を感じる。 でも、この感覚は、人気のない山にはたいてい感じる感覚だ。
しかし不思議なもので、3合目、4合目と進んでゆく内に、エネルギーはずんずん和らいでいき、やがて、山がわたしを受け入れてくれてているような感じが起こる。きっとわたし自身がリラックスし、楽しくなってきたからなのだろう。

しかし、暑い。ウエアーは汗びっしょりで、まるで濡れた水着状態。
この暑さのせいか、今までの山行より疲労度が強く感じる。 山のガイドブックにあったように、15分歩いては水休憩を取りつつ進む。途中、近の高校の女子陸上部のグループが下山してくるのに出会う。
「がんばってください。頂上は涼しいですよ〜」と声をかけてくれる。
7合目を過ぎると登山道は海側へと出る。そこから真下に広がる海。太平洋と東シナ海が交差する大海原の眺めに深い溜め息。


ごつごつした岩場が多くなり、梯子が掛けられているところもあり、9合目過ぎの急坂を登り切り、岩が積み重なった大展望の頂上。
岩によじ登り、その先端の岩に腰を下ろし、その下に広がる美しい世界を味わう。 9時半に2合目登山口を出発し、11時45分に山頂に着いたから、2時間15分。コースタイムより15分、短縮できたことになる。

あまり広くない頂上には、わたしの他には3人のパーティーが食事をしており、その後、途中で追い越した中年カップルの登山客が登ってきた。
昼食は下山してから取るつもりだったので、ゼリーとナッツの行動食で栄養補給をし、12時15分には下山することにする。

というのも、この日、レンタカーを返す都合8時までに宮崎市内に着かなくてはならない。mGも下で待っているし、帰路に着く前に指宿温泉にも入るとなると、遅くとも2時には下山したい。

前回の山行きで左膝を痛めているので、今回は膝のサポーターをきっちりつけ、ストックをフルに用いて、できるだけ、左膝に力がかからないように慎重に下山した。登りのような疲労感はなかったが、小石がガレ状になっていて、十分注意して歩いていても、足元をすくわれ、何度となく滑ってしまう。防ぎようがないのだ。

慎重に下山したためか、ほとんど休まずに歩いたものの、2合目登山口に着いたのはちょうど2時。コースタイム100分よりも5分余計にかかった。
登山口のそばのベンチにmGの姿を見つけた時にはほっとした。
指宿温泉へ立ち寄り宮崎へ。

それにしても、山行の後の温泉は格別だ。疲れた足腰がお湯の中でじんわりほぐされ、使い過ぎた筋肉や関節が癒され、元に戻されるような気がする。心配だった膝は何も痛みがなく、心地よい疲れの他はどこも傷めることはなかったようで山行に自信を持つことができた。




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