たりたの日記
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2006年07月17日(月) |
ダンスパフォーマンス「心に愛の鼓動」 |
あまりに心を揺さぶられた時には言葉がうまく取り出せない。 何もかも書きたいのに、その中から何かを切り取ることがまずは難しい。 けれども、こう記憶があやしくなってきている昨今では、今日という日を後になって取り出すためにもやはり書いておかなければと思う。
7月17日、海の日。M'S Party のダンスパフォーマンス。 土曜日の日記に書いたが、わたしが心に描いていた舞台と観客とが一体になる、そこになにかが起こるという期待は裏切られることはなかった。 出番を待ちながら、舞台の袖のモニターで仲間の踊りを見ながら、練習にはない本番の醸し出すエネルギーが伝わってくる。
わたしの最初のダンスはmGとのペアダンス。もう何度もステップを練習したはずなのに、直前になると、忘れてしまいそうで怖い。 「ね、もいっかいやろ。」「あれ、ここのステップ、どうだったっけ」
ステージのライトや客席に飲み込まれないように、自分達の踊りを踊るのでなければ・・・ 丹田に力を入れ深呼吸をし、足が地についている感触を何度も確かめつつ、舞台へ。
♪♪♪
何とか失敗せずに踊れた! めぐ&つかさ、なお先生&シャル、たりた&mG のだ3組のペアダンスに続いて、なお先生とシャルのペアダンスが華麗に舞台を盛り上げる。 美しい! この調和を乱すことにならなくてよかったと深く安堵。
今回の衣裳はわたしは赤のドレスに黒のパンツ、ハイビスカスの髪飾り。mGは黒のシャツに胸に赤いハイビスカス。 この歳になってこんな華々しいドレスを着て二人で踊るようになるとは、 20代の頃、一度だけダンスパーティーに行った時、わたしはみじめな壁の花(シミ?)だったというのに。 人生何が起こるか分からない。
しかし、このペアダンスの練習の最中にどれほど喧嘩したことだろう。 夫婦だからこそ、いっしょに創り上げるというのが難しい場合もある。このペアダンスを通じて多少訓練もされたかな。 仲間から円熟したカップルのダンスだったと言われると、何とも恥ずかしい。まだまだ未熟ですから〜。
38名が黒の衣裳で踊る「ガソリーナ」、間際まで、楽屋の前の通路でみんなと練習。何度やっても、テンポがずれたり、振りが落ちたりと不安なのはわたしだけじゃなかったようだが、後で撮ってもらったビデオを観ると、きれいに揃っている(ように感じる)。 それにしても面白い振りつけだ。本番、ようやくその面白さを感じながら踊れた気がする。
KAGAYAの銀河鉄道のどうがCG映像が映し出される。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のタイトル文字にはっとする。あの物語が蘇る。本で読んだ「銀河鉄道の夜」 映画で観た、あの猫の顔をした、ジョバンニとカンパネルダの青い映像― そのCGを背景に小さな少女達が舞う。あまりに純真な姿に心が透き通っていく。 舞台の袖で、その子ども達を見つめて涙している師の背中・・・ それはひとつづきの物語のようだった。
さぁ、わたしの出番。「インディアンの教え」 舞台に出る子ども達をひとりひとり抱きしめていた師はわたしもハグして力づけてくれる。 マイクを使う段取りをしていたが、直前のリハーサルでマイクを使わずに語ることになった。 生声で、客席のひとりひとりに届くように語る―緊張もあるが、マイクに頼らない分、観客とまっすぐ向かい合う事ができる。 わたしの仕事は、わたしを伝えることではなく、この言葉を届けること― 語り始めると、客席からの集中したエネルギーが集まってくるのを感じた。ここで繋がることができれば、そこからのエネルギーがわたしを語らせてくれる。
語りが終わるや、舞台の袖で急ぎ「えんぶり」の衣裳に着替え、客席からステージに踊りこんでくる仲間達の列に加わる。子どもと大人、31人で踊る。 みなのエネルギーを感じて踊りながら、ふつふつと力が漲っていた。
休憩時間、いつもみんなを笑いの渦に飲み込むようこちゃんの楽しいMC。 コミカルな踊り「ビョョ〜ン」はおそろいの黄色と黒のTシャツで。最前列だったが、観客のくつろいだ顔を見ながら楽しく踊る。 あっ、友だちの顔見つけ!
キッズ達と舞台の袖からみ〜〜のギター演奏「コンドルは飛んでゆく」をうっとりと聴く。 やはりステージの上の演奏はいい! もっと聴いていたい。
後半のオープニング、かなりかっこいい振りの「We Will Rock you 」は、ジーンズに白のタンクトップで。 まだステージに並んでいないうちに音楽がかかってしまい、みなあわてて舞台へ踊りこんだが、それもまた振りに見えたのかもしれない。
「レ・ミゼらブル」はあゆがみんなに縫ってくれた囚人服を着て。 かおちゃんとわたしは観客席から舞台に向かって歩いていく囚人の役。 待っている間、観客席から「ファントム・ザ・オペラ」を観ることができた! このホールの雰囲気にぴったりの振りと演出。ドラマティックな場面。
そして「レ・ミゼラブル」 アメリカにいた頃、このミュージカルを二度ブロードウェイで観ているが、二度とも、周りにはずかしいほど、派手に泣いてしまい、しかもいつまでも涙が止まらなかった。 いったい何に感動したのかといえば、ストーリーにでも歌や演技の上手さにでもなく、舞台の上で合唱する人達のエネルギーにだった。演じている事を通りこして、そこで演じる人達のパワーが迫って来て、心の栓がはずされたのだった。 あんな場面が作れたらと心に描いていたが、舞台を観に来てくれていた友人が 彼女のブログolive の木を育てたいに、舞台を観て、涙腺の爆発が起こったと書いていた。 わたしたち「レ・ミゼ」がそんな爆発をもたらしてくれたことを聞いて、「やった〜!」
この後の50音メドレー。 それぞれのダンサーの個性が踊りや演技の中に見事に出ていて、練習の時からおもしろかった。底抜けの明るさと、シンとする何か。 「人間なんて」に象徴される、達観のようなもの。
本番、客席から見たいところだが、何しろこの間は衣裳替えで忙しく、踊り手たちは自分の出番に間に合わせるべく、楽屋裏を駆け回っているといった具合。
それにしても、これほどたくさんの曲の振りをひとりで考えたなお先生は超人的。メンバーのキャラをみごとに見抜いてる。その実力とセンスとオリジナリティーに加え、その脱力度に改めて脱帽。 この軽やかさは開放につながる。
こんなに長々と書いてもその十分の一も書けない。 また今回もみ〜〜が素晴らしいドキュメンタリータッチのDVD(これらは我が家の家宝です)を作ってくれるだろうから、そっちを待つことにしよう。
PS
taimeokanさんも、ブログ「ゆんぼんち」にうれしい感想を書いてくださってます。
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