たりたの日記
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2006年04月20日(木) |
夕焼け色のチューリップが咲いた日に |
心待ちにしていたカイロという名前のチューリップが咲いた。 最新品種のこのチューリップの球根の説明書に <落ち着いたシックなオレンジ色の花色、すっきりとしたたまご型の花。カイロの夕暮れを思わせる、エキゾチックな雰囲気を持つチューリップ> とあった。
果たして、その写真の色やイメージとは少し違うものの、オレンジというよりは夕焼け色のシックなチューリップが8球とも開いた。
この日、午前中のジムと午後の仕事の間の2時間、この前、知り合った未来の牧師夫人のけいこさんに会う。荻窪に住む彼女が埼玉に来る用があるので、会いたいと言ってくださったのだ。
新婚、20代のけいこさんと話ながら、わたしが故郷を離れて埼玉に来たばかりのことがしきりに思い出された。 25歳になったばかり。仕事をやめ、親兄弟、友人、知人から離れて、ただひとり夫となったばかりの人と暮らすという生活。朝夫が出勤して戻ってくるまでのこころもとない時間。この始まりがどこへつながってゆくのか、まるで掴めなかった。けれども、今のけいこさんと同じように、新しい土地やそこで出会う人への興味や自分が築こうとしている家庭への夢はあって、一人でいろいろなところへ出かけていた。 目白にある神学校で聴講したり、東京こども図書館へ出かけたり、毎日正午に行われる銀座教会の礼拝に出てみたり、デパートのパッチワークの講座に出てみたり、誰も知り合いがいなかったから、いつも一人で。
けいこさんの今とその時のわたしがシンクロし、わくわくとした気持ちと同時に、その時の妙に物悲しい気持ちも蘇ってきた。
あれから25年経った今、息子達が巣立った家の庭に、夕焼け色のチューリップが咲いている。 多くの出会いを得、日々は豊かだ。
(写真のチューリップ、1枚は朝に、後の2枚は夕方に撮影)
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