たりたの日記
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今日、50歳の誕生日。
さて、今日から本番。そんな気持ちで早朝のランニングを始めた。
母校の中学校へ続く三年坂(みとせざか)を上がり、中学校のグラウンドを走る。
そして、わたしの生まれた家へ。
そこから見える山の姿はすがすがしく、はっとさせられる。
わたしはこの場所を選んでここで生まれたのではないかと思う。
家の前の道を眺めていると、近所だったおばさんと行き合った。
少しも変わらないその人は驚いたようにわたしを見て、
子供の頃と少しも変わらないと言う。
子供の時と変わっていないはずはないのだが。
そこからすぐの母校の高校まで走り、川沿いの満開の桜並木の下を走る。
艶やかな桜に心を高ぶらせながら、
わたしはこの時を選んで生まれてきたのではないだろうかと思う。
いつもはわたしが食事の用意をするのだが、
今朝は母が赤飯を炊き、味噌汁を作ってくれていた。
昼前、母と二人で父のところへ。
いつものように食事はすっかり平らげ、話しかけるとうれしそうに笑う。
母は分かりはしないのに父に「今日は、美子の誕生日よ」と言う。
それから母と電車で、竹田の温泉へ行き、食事をして帰る。
焼酎はいつか本で見た大分麦焼酎「石仏」。
ラベルに臼杵の石仏の顔が印刷されている。持ち帰れるようボトルで注文。
と、こんな50歳の幕開け。
実はこの50という響きにぞっとしてしまうのだが、
きっと人生で一番良い時なのだろう。
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