たりたの日記
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つくしんぼ保育室でのこと。 「あ〜、この前のギターとちがう!」 わたしがギターを弾いている教室に入ってくるなり、四歳児のしんやが叫んだ。 「え、分かるの?新しいギターなんだよ。どうして分かったの?」 「ほら、ここのところが銀色だもん」 しんやは弦を巻いているねじの部分を指差す。 先週持ってきていたギターのねじの部分を思い出そうとしてみたが、 とっさには思い出せなかった。 きっとしんやはギターのその部分が気に入って、よおく目に焼き付けていたに違いない。 1週間も時間が経っているのにその記憶が消えないでいたのだろう。 四歳児、侮れない。 よい音が出るギターに変えて良かった。きっと彼らの耳も侮れない。 音にしても言葉にしても絵にしても、より良いものを渡さなくてはと思った。
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