たりたの日記
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2006年02月09日(木) |
新垣 勉 のコンサートへ |
昨夜、友人2人とテノール歌手、新垣勉チャリティーコンサート「共生と平和をうたう」に行きました。
新垣勉については簡単なプロフィールを知っているくらいで歌を聴くのは初めてでした。 2曲目のシューベルトの「アベマリア」を聴いた時、いきなり激しい泣きモードが襲ってきてあわてました。 悲しい場面が予想できる映画の時には手にハンカチとポケットティッシュを握りしめることは忘れませんが、コンサートでハンカチが必要なほど泣いたことなどなかったからまったく予期せぬ事態でした。
映画館ならいざ知らず、コンサート会場ですすり泣きなど許されるはずありません。声を殺しましたとも。その後も3、4度、このモードに襲われ、けっこう大変でした。アンコールの「さとうきび畑」はもう何度も聴き、自分でも歌っている歌なのだから大丈夫だろうと思っていたのに、やられました。
ソプラノ歌手やテノール歌手のコンサートはもちろん、悲劇のオペラでさえも、あの誇張したエモーショナルな歌い方、返って醒めるほどだったのですが、これはいったい何なのでしょう。
新垣さんの広がりのある豊かなテノールは、とてもまっすぐでピュアなエネルギーを持っていて、それがストレートにハートをアタック(heart attack・心臓発作じゃないですよ・・ん・・これ、新垣さんが連発していた駄洒落みたいだ〜)してくるのでした。そうなれば、もうすべもなく、ただ「はらはら・・・」なのです。
これは埼玉県に初めて建設される聴覚障害者のための老人ホーム建設のためのコンサートでしたが、およそ2000人の人で観客席は満席の状態でした。 聴覚障害を持つ方のためにすべてのトークや歌に手話通訳と要約筆記が付き、客席にはボディソニック(音を身体で感じるための音響システム)が設置されていました。 手話で聴く(観る)歌は手で表現する踊りのようでした。
ふと、音の聞こえてこないコンサートを想像しました。 そういえば、新垣さんは盲目です。彼の心の眼はとても良く見えるに違いありません。彼の歌う歌にはどれも絵がくっきりと浮かびましたから。
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