たりたの日記
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2005年09月27日(火) |
透きとおったかなしみに |
今朝(28日)、HPの掲示板に八木重吉の「丘を よじる 」という詩を載せました。 そういう気分というのではなく、思い出して。
中学生の頃、この詩をノートに書き付けては繰り返し読んでいました。 今はもう、その時の気分のままには取り出せないのですが、 この詩にひどく共感していたのです。 わたしと同じ気分を持つ人がいるということが信じ難いような気持ちでした。 そして慰められました。
実際、ひとりでよく丘をよじってましたし。(苦笑) 八木重吉の詩のあちこちに、わたしに時折り訪れる、むさむさとしたかなしさ ぬっと顔を出すさびしさをみて、あぁ、いっしょだと安堵したものです。
そういう時期の事を振り返ると今はなんとのほほんと生きているのだろうと思います。 でもきっと消えてしまっているわけではないのです。 透きとおったかなしみに出会うと心はやっぱり安らぎと慰めを受けるから。
< 丘を よじる >
丘を よじ 丘に たてば こころ わずかに なぐさむに似る
さりながら 丘にたちて ただひとり 水をうらやみ 空をうらやみ 大木を うらやみて おりてきたれる
八木重吉 『秋の瞳』 より
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