たりたの日記
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海には子どもの頃からあこがれがあった。それはわたしが海から隔たった山間部に生まれ育ったからなのだろうと思う。本物の海を見て、そこに体を浸したのは小学校2年生の時だった。その途方もない広さが何か心もとなかった。 そして、生まれ育った土地を離れて住み着いた土地は、海はおろか山もないところだった。
山も見たいけれど、海も見たい。わたしは大分へ帰省する時には、実家の山へ向かう前に必ず海のみえる別府へ立ち寄る習慣ができてしまったが、もうひとつのわたしの海は同居人の実家の宮崎の海だ。帰省の度に、日南海岸の海沿いを走る。
一年最後の今日、義姉は新しくできた一ツ葉のサンビーチという海岸公園へ連れて行ってくれた。目の前にちょうど沖縄の海のような緑色の混じった美しい海が広がっている。 その広がりの中で思わず歌が飛び出す。浜辺の歌、椰子の実、このおだやかな海と優しい曲線を描いた波打ち際、そこに打ち寄せる波は歌とよく似合う。 水平線に目をやるとそのはじからはじまでは、ゆるやかなカーブを描いている。地球のまるさだ!
そこからしばらく走った宮崎漁港には停泊中の船に大量旗や日の丸の旗がはためき、明日の新年の祝いを待っていた。
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