たりたの日記
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朝6時に起きてウォーキングなど普通ならやらない。雨が降っていれば買い出しもあきらめるのが根性無しのわたしだもの。
ところが今朝はまだ暗いうちに母を起こさないようにそっと 起き出して支度をすると、夜が明けるのを待って外に出た。
昨日、母と買物に出て、母校の高校の前を通り過ぎた時、高校の前を流れる川とその前方に広がる山並みに心を奪われ、その川岸の道を山に向かって歩きたいという衝動が起こったのだった。そして明日の朝、ここを歩こうと思った。
しかし、勇んで外に出たものの、外は生憎の雨。でも故郷にいられるのは明日まで。雨天決行、傘をさしてのウォーキングに及ぶ。
まず昔通っていた中学校のある丘に上がり、そこから、山の広がりを眺め、丘を降り、高校の方へ向かう。
子供の頃、この山、はいだて山は何時も視覚の中にあった。わたしの家の前の道からも、小学校の窓からも、中学校や、高校のグラウンドからも見えていた。ただそれが有るのが当り前でとりわけその山に思い入れがあったわけではないのだった。
ところが昨日は、故郷にいた時には覚える事もなかった山への憧憬のようなものが湧き起こってきた。 ふるさとの山から離れて暮らす事で初めて、この山と出合えたのだろうか。 川に沿う遊歩道を山に向かって歩いて行く。山は雪を被っている。ここで降っている雨が山の上では雪になっているのだ。湿った空気の中に山からの張りつめた冷気が突き抜けて届く。ふと、ここがふるさとなのだ。わたしにはふるさとというものが存在していたのだと思った。これまでに味わったことのない感慨だった。
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