たりたの日記
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2004年05月09日(日) |
雨の日曜日の夕暮れ時に |
雨が降っている。 もうじき日が暮れるから、まだ明るさが残っているうちに花達を見ようと、窓辺のソファーへ移動する。
オレンジ色のアンネのバラが昨日ひとつ、今朝もうひとつ咲いた。 このバラは咲いたばかりの時は、くっきりとしたオレンジ色で、姿もきりっとしているのだが、一日過ぎると、花の色はピンクがかったやわらかなピーチに変わり、姿もふわふわと優しげになる。 まるで一人の女性の中にある、相反する二つの性質を見るようだ。
小さな白い花をたくさんつけるバラ、アイスバーグは、今5つばかり開いたところ。少しうつむき加減に咲く純白のバラは清楚で、見ているだけで、心のすみずみまで洗われるような気分になる。
もう10年近く咲き続けている紅色の小さなバラは、シューベルトの「野ばら」を思い浮かべるような野趣に富んだバラだ。1本の枝の先に、10個ほども小さな蕾を付けている。明日には咲くかもしれない。
今年初めて咲いた、ルピナス。紫と、濃いピンクと、淡いピンク、3本の花が、すっくりと背筋を伸ばし、どの花びらも同じ正確さで、きっちりと開いている。この花の姿が好きだ。
すでに赤い花をたくさん付けているチェリーセイジの脇では、やがて深いブルーの花を付けるメドウセイジがぐんぐんと茎を伸ばしている。今年はさらに株が広がった。真夏にはこの庭が、メドウセイジのブルーで溢れかえることだろう。 夏の庭にはブルー系の花をたくさん咲かせたい。 今年も忘れず、アメリカンブルーの苗を3株植えた。 紫色の花手鞠の枝をいくつか取り、挿し芽もした。
さて、書いているうちに外は暗くなってきた。 テーブルの上には溢れるほどに咲いているピンクのカーネーションの鉢植え。病院にいたり、寮にいたりする息子達に代わって、mGが買ってくれた 母の日のプレゼント。 今年も朝のコーヒーを入れて、朝食を用意してくれた。 恒例の母の日スペシャルトリート。
朝、教会はお休みしてHの病室へ行く。 熱は下がって、ずいぶん回復している様子。まだ食事はできない。 TVではどのチャンネルを回しても、食べる場面ばかりが映って、食べたくてしかたないとこぼしている。 ほんとにそう。どうしてこう、食べる場面ばかり放映されているのだろう。日曜日だからかしら。日曜日のこんな時間にテレビを見ることなんてないもの。
本人はどうしたって明日は退院すると言っているが、 看護婦さんは「入院計画書には7日間って書かれていますからねえ」と言う。 「だめだって言われても、ぼくは勝手に帰るよ」 なんて聞き分けのない事を言う。
明日は、朝7時には家を出て、mGとつくばへ行く事になっている。Mの検査のことで主治医と相談するため。医者がどのくらいの情報を持っていて、どんな疑いをどの程度持っているのかを知りたい。
植物たちも害虫や病気や、様々な妨害に合いながらも、今年も花を咲かせた。大丈夫。きっと守られている。
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