たりたの日記
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熊の肉を食った 噛み締めながら食った
熊が過ごしただろう深い森や 熊が渡っただろうさらさらと石の上を流れる小川や 熊が夢みただろう暖かく湿った穴倉 そんなものもいっしょに食った
熊の命のかけらはみっしりと弾力があり 噛んでも噛んでも飲み込めない
「俺の命を食うんだぞ、そんなにやすやすと飲み込むんじゃない。 噛め、しっかり噛め、俺の命を味わえ」
しっかり動かしている歯と歯の間から 熊の声が聞こえてくる
昨日食った熊の命は 今朝はわたしの身体の中で血液となって 流れているんだろう その肉は分解され、また組み合わされ わたしの腕の筋肉に組み込まれるのだろう
森の熊といしょだ、今日は 身体にも心にも強い力が満ちているはずだ
朝が新しい気がする
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昨日のこと、mGにネット仲間のKから熊の肉が送られてきた。 遠い山奥の場所からKが熊の肉を送ってくれたことに われわれは痛く感動したんだった。 Kは「せっかくの熊の命の欠片ですから 一番熊が浮かばれるところで消費してもらおうと思った…」 とメールをくれた。 熊の命の欠片の行き先を我々のところに選んでくれた、そのことがまたうれしかった。 ありがとう、K.
<熊の肉をどうやて食べたかということについて>
1、熊の肉の細切れとニラともやしの炒めもの
熊の肉はとにかくチューイーで、包丁で切り分けるのが難儀だったので、頑丈なキッチンバサミで切り分けました。そう、肉の密度が高いんですね。硬いんではないんです。柔らかい肉だけれど、筋が強いんです。
「クセが強いので焼く場合はたれなどに漬け込んで」と、ネットで調べたら書いてあったので、肉は焼肉のたれにからめておきました。
中華鍋で、たれに漬けた熊の肉を炒め、それにニラともやしを加え、最後に焼肉のたれを全体にからめました。
まずはこういうシンプルな料理で、熊の肉そのものに出合ったというわけです。少しも臭みはなく、噛めば噛むほど、肉の味わいがするのでした。ニラともやしの相性もいいと思いました。
2、Kから教えてもらった通り、熊の肉とごぼうのささがきと豆腐(これも送ってもらったんですが、その土地の名物のがっしり、しっかりした豆腐でした)を手でくずしたものと、なめこの味噌汁を作りました。 熊の肉の出しは脂っこくもなく、臭みもなく、なんと上品なんだろうと思いました。味噌汁の中で、あまり自己主張をせずに、全体の味を支えてるって感じです。
3、これは今夜作るんですが、熊の肉を圧力鍋で極限まで柔らかく煮てみるつもりです。それにトマト缶とじゃがいもと玉ねぎと人参を加え、ゆっくりと弱火で煮て、熊シチューにしてみます。じっくりと煮ることで熊の肉のエキスがしっかりと染み出すことと思われます。
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