たりたの日記
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ここのところずっと寒い春が続いて、咲く、咲くと早くから言われていた桜もすっかりちぢこまっているようだった。
しかし、日曜日はみごとに晴れて桜が一斉に咲いた。 夕方、mGと花見に出かける。 今年はマジメに花見をしようということになった。 つまり、ただ桜の下を歩くといういつものじゃなく、 敷物や食べ物、飲み物持参で花の下で宴を張るというマジメな花見。 mGは会社人だというのに、マジメな花見は初めてらしい。
わたしはたった一度だけマジメな花見に参加した。 ある英会話学校でパートで教え始めた春、そこのスタッフの人達との花見だった。会社から弁当やビールが出て、絵に描いたような花見がなにかおかしかった。 そういえば、あの時、「社長さん」もいて、わたしは自分の人生で初めて「社長さん」の下で働くワーカーになったのだと、ちょっとした感慨があった。 そのパートは一年で止めてしまったから、その花見もそれが最初で最後で、 「社長さん」とも一年のご縁だった。
さて、mGとのマジメな花見は朝炊いた赤飯と、買ってきた焼肉弁当とビールにおつまみといったもので、ビニールシートの上にフリースのブランケットを敷き、満開の桜やら、宴会やっている人たちや、その周りで駆け回っているちびっこの集団を眺めながらおこなった。 おチビ達が集団で遊ぶ様子、ころんだり、泣いたり、なぐさめたり、泣き止んだり、また遊び始めたりといった様子を、我々は遠くからの観客となって、けっこう楽しんだ。子ども達って眺めているとほんとにおもしろい。
その後、我々は桜の木の下で、先週うまくできなかったエアロビクスのステップをおさらいしたりしたのだが、そういう我々を、別の花見の客は、妙なことやってる人間がいると、おもしろく眺めていたかもしれない。
樹齢80歳の桜の古木41本は、毎年、毎年、この下で繰り広がられるそれぞれの宴をおもしろく眺めてきたことだろう。
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