たりたの日記
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2003年09月01日(月) |
うさぎはうたう、うさぎははねる |
さて、今回のオフのメインはカラオケだった。うさぎたちがどのように打ち興じて歌ったかそれをお話しよう。
実はカラオケと聞いた時、あたしはちょっとビビッたのだ。
ポポロとのオフの時は礼拝の中でいっしょに讃美歌を歌った。風たちとのオフでは風のピアノに合わせて、みんなでコーラスした。たりたガーデン関係のオフ会は不思議と歌に縁がある。ところがカラオケというのはあまり経験がない。っていうかむしろ苦手。
演歌や歌謡曲が苦手であるばかりかほとんど知らないし、歌える歌を歌うと何か座をしらけさせてしまう。その上、わたしの発声で歌うとマイクはかえってじゃまで音が割れ、いつかなど耳を押さえられてしまったほど。
mGなどは、会社の宴会でどれほど執拗に歌えと言われても断固としてカラオケのマイクを握るのを拒んできたというから、人前でマイクを握るのは今回初めてのことだ。
あたしとmGはせめてみなさんに不快な思いをさせることのいないようにと事前にカラオケボックスへ行き練習をし、mGは歌う歌をエレファントカシマシとaikoに決めて夜な夜なPC相手に練習を積んでいた。あたしはそこまでする余裕がなく、前日になってからせめて以前歌ったことのあるタイタニックのテーマだけでも歌えるようにしておこうと次男に録音を頼み、松本へと向かう車の中でmGのエレファントカシマシとaikoの合間に練習したのだった。
さて、信州健康ランドで一風呂浴びたあたしたちは日常とはえらくかけ離れたおそろいの部屋着に身を包んだ。一層うさぎらしくなって、おかしいねとお互いの格好を笑いあいながら、やっと6人が入れるほどの小さなカラオケルームに陣取った。
「誰から歌う〜」
こういう場合、最初に誰が歌うかというのが案外大切なようだ。そこでカラオケの流れが決まるらしい。みんなが奥ゆかしく譲り合っている。こういう場合、そんならわたしがと名乗りをあげたいところだが、カラオケに慣れていない者がトップバッターを切って、はなから座をしらけさせてしまっては取り返しがつかない。どうやらみんな心の準備に今しばらく時間がかかりそうだ。それならば準備ができるまでのつなぎに、マキュキュのご要望に答えてはるばる埼玉から運んできたギターでなつかしのフォークソングを歌いましょうとばかしに、たりたうさぎがへたくそなギターを爪弾き始める。
♪君は覚えているかしらこの白いブランコ〜(ブランコ〜)
♪町のどこかに〜寂しがり屋がひとり今にも泣きそうにギターを弾いている...
おそろしいことにあさみんじゃ〜は自分が生まれる前のこの歌を歌っている!当然マキュキュも空で覚えている。あさみとたりたの3人でハーモニー付で歌う。 な、な、なつかしい〜〜〜 28歳のぷよ2には見たことも聞いたこともない歌だったに違いない。
さてさて前座が終わって本番。 トップバッターはマキュキュとフゥーリーのデュエット。ばっちり息が合っているしなにしろ雰囲気がある。マキュのハスキーボイスとフゥーリーのうっとりするように甘い声は絶妙なハーモニーを作っていた。
ぷよ2とあさみんじゃーは我々中年が度肝を抜かれるようなアップテンポの和製ラップをよくまあ、舌も噛まずに切れよく、かっこよく歌うこと。思わずフゥーリーが率いる中年のバックコーラス隊が入る。
mGは予定どおりエレファントカシマシとaikoをあさみんじゃーに助けてもらいながら歌った。
あたしは練習していたタイタニックのテーマを歌うともう歌う歌に困ってしまったが、この前施設を訪問した時に歌った森山直太郎の「桜」が歌えることを思い出して歌ったらフゥーリーが「おかあちゃんのもいいんじゃない」という。ひえっ、♪かあさんが夜なべをして手袋編んでくれた〜♪がカラオケにあるのかと思いきやどうやら直太郎の母の森山良子の歌を言ってるらしい。確か紅白歌合戦で森山良子が「さとうきび畑」を歌っていた。あれなら子どもの時歌った覚えがある。
ところが歌い始めたものの5番くらいになると後悔しはじめた。確かこの歌はおそろしく長いのだった。8番くらいまでだろうか、いやまだ続く、10番、いやまだ終わらない。歌う方は別に構わないが聞かされる方は退屈しているに違いないと微妙に葛藤が入りこむ。この歌が17番まであることを知っていたらきっと歌わなかったことだろうが知らなかったから歌ってしまった。
さてこのカラオケの機械は得点とその機械での順位が出るしくみになっている。プラウドリーなことには我々のグループが最高得点を出した。一等賞に輝いたのはあさみんじゃー。ベルサイユのバラのテーマで。この歌があまりにあさみんじゃーにぴったりなのでみんなで感心して聞き入っていたのだった。2月にはミュージカルのステージに立つあさみんじゃーが目に浮かぶ。きっとすばらしい舞台を作るのだろう。
さてさて 楽しい時は飛ぶように過ぎる。この日あさみんじゃーとぷよ2は3時間かけて家まで戻らねばならない。最後にマキュキュが作詞作曲したという「美しく哀しい音色(おと)」という歌を披露してくれる。友人がシンセサイザーで作ってくれたという伴奏をバックに独唱してくれた。シャンソン風のその歌はマキュキュの低い味のある声と歌い方にぴったりで編曲もプロっぽかった。その昔、彼女は自分の経営する居酒屋で客の前に立ってこの歌を歌っていたのだろう。そして彼女の取り巻きの客たちはその歌声にうっとりしていたことだろう。もう一度、そんな店でマキュキュが好きな歌を歌って聞かせることができないものだろうかと思えてならなかった。
この夜、わたしたちは確かにうさぎだった。しっぽだってついていたもの。 それで思いっきりハジケルことだってできたのだ。 わたしはそのしっぽがうれしくてうれしくて踊り出す足を止めることができなかった。
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