たりたの日記
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2003年05月05日(月) コンビニで柏餅を買ったこどもの日

今日が子どもの日だったということを思い出したのはドライブの途中、コンビニに立ち寄った時だった。次男のMと私の分のペットボトルのカフェオレと、ハーゲンダッツのアイスバーを2つづつ買ってお金を払う時、レジの横に柏餅が山積みになっていた。

「おっ、柏餅。うまそっ!」
「そうだ、今日は子どもの日だったね。柏餅も菖蒲湯も忘れてた」
そういいながらそこにあった柏餅を2つ取って加える。
「おにいちゃんはもう20歳越したからいいとして、君はまだ子どもだったもんね。」
そう、年齢からすればMは20歳まであと2年はある。しかし、この春、大学生になり親元を離れて寮生活をするようになった彼はもう子どもの日の柏餅がそぐわないような風貌を呈している。縦も横もぬうっと大きく、故意に伸ばしたあごの不精髭のためか、ついこの前まで高校生だったようにはとても見えない。

今日は連休で家に初帰省をしていたMを夫と私とで寮まで送っていったのだった。寮に取り付けるお下がりのエアコンとコタツ、夏布団やタオルケット、そして米や食料品を車に詰め込んで。

公団住宅のような鉄筋のアパートメントハウスが立ち並ぶ学生寮は木々に囲まれた静かなキャンパスの一角にあった。一年間の部屋代と共益費が合わせて17万という破格に安い寮費の割りには、6畳の一人部屋でベッドと机と洗面台が付いている部屋はなかなか居心地もよさそうだ。4階のその部屋の窓からは枝を広げ、新緑に覆われた大きな木が話しができるほど間近に見えている。入り口のドアを開けたままにしているとさわやかな風が通り抜けていく。

部屋は予想していたよりも小奇麗に片付いてはいるが、ラックの上に無造作に置かれた食器類や、食品を見ているとつい、片付けたくなって整え始めると
「お母さん、何にもさわらない。口出ししないって約束だったじゃない。」
とぴしりとやられる。
これをこうして、あれをこう置いてとアドバイスしようとしてもMは聞く耳持たないといった様子。
「好きなようにやるから」と頑固だ。
「しかたない。私が住むんじゃないんだものね。好きなようにやるといいわ。」とわたしもあきらめは早い。

学生の頃、惨憺たる夫(まだ夫ではなかったが)の部屋を片付け、住み易くしてあげた時、彼はこんな風には言わなかったが、そこが母親と彼女との違いなのだろうか。それともMが父親よりさらに頑固だということだろうか。こうなれば、彼が素直に言うことを聞く彼女が早く現れて欲しいものである。

ともあれ、クーラーを取り付け、こたつを組み立てるとずいぶん部屋らしくなった。その後、車でジャスコまで行き、カラーボックス、簡易掃除機、食器の水切り、米びつなど、あれば便利なものを買い足す。これで多少快適さが増したはずだ。もう当分ここへ来ることもないだろう。

毎日ご飯を炊いて自炊しているというが、今日はいったい何を食べるのだろう。聞けば友達のところで食べるか友達が来ていっしょに食べるかで、一人で食事することの方が少ないという。そういえば、わたしもそんなもんだった。
いよいよはじまったね学生生活。
ふっと淋しい。





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