たりたの日記
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2003年04月18日(金) カプチーノに不義理を働いてしまった今朝のキッチン

毎朝、起きぬけにノニジュースを30cc飲む。それからやおらやかんを火にかける。お湯が沸くまでの間、陶器のポットの上にやはり陶器のカリタをのせ、漂白していない茶色のろ紙を敷く。それからミルクを泡立てるためのガラスのシリンダーのような細長いコップにミルクを100ccほど入れレンジでそれを暖めたあと、ピストンのようなものをシャカシャカと60秒間動かす。するとミルクはふわっつと泡立ち3倍くらいに量が増える。お湯が沸くと丁寧にコーヒーを入れてカップに注ぎ、そのふんわりとしたミルクの泡をたっぷりとコーヒーにのせる。たまにココアパウダーを入れたり、シナモンパウダーを入れたり、またアイリッシュクリームを入れたりもする。このミルク泡たて器(1500円だった)を買ってからというもの、朝のコーヒーがだんぜん楽しくなった。元はただの牛乳である。それが泡になっただけで味も、なにより気分が違ってくるから不思議だ。泡って、顔を洗う時の泡にしろ、たまに湯船に仕立てる泡風呂にしても、なんだか幸せな気持ちを起こしてくれる。あのふわふわと優しげな感触が心に良く作用するのかもしれない。というわけで泡のコーヒーを私は朝一番の楽しみにしているのだ。

ところが今朝はちょっとばかり様子が違っていた。やかんにお湯をかけておきながら、やっぱりやめたとばかり、やかんをおろし、小さな鍋を取り出してそこにミルクを入れる。コーヒーをやめてミルクティーを作ろうというのだ。
Fさんのコラムで紹介されていたチャイという飲み物を昨日の夕食の後に試しに作って飲んでみたのだが、その飲み物の味がずっと頭に残っていて朝目覚めたと同時に飲みたいと思ったのだ。しかしチャイを入れながら、なにかカプチーノに対してひどい裏切り行為を働いているような気になり、「やっぱり朝はきまりのコーヒーでなくては」とばかりにミルクの鍋を下ろしてやかんをかけなおす。しかしやかんのお湯がしゅんしゅんと沸いてくるや、あのこってりと甘くスパイシーな飲み物の味が頭を占領しはじめる。「やっぱしチャイにしよう」カプチーノに対して多少の後ろめたさを感じながらも今朝はチャイを飲むことに決める。温まっ牛乳の中に紅茶の葉っぱを入れてゆっくりと煮出し、白いミルクが茶色に変ってきたあたりで火を止め、カップに注ぎ、蜂蜜を入れ、そこにシナモンパウダーを入れる。昨日はスパイシーなガラムマサラを入れたが、朝にはシナモンの方がいいかもしれない。

おいしい!甘いコーヒーや紅茶は苦手だったはずなのに、このミルクで煮出した甘い紅茶のこくと豊かさはいったいなんなの。泡のコーヒーとはまた違った豊かさ。イタリアとインドの違いなのかしらん。でも、この頭から離れない味っていうのがちょいとこわい。というのも私は以前納豆とミントに狂ってしまって、それがなければ生きてゆけないほどにはまりまくった。ああいう囚われはちょっと避けたいという気がするが、なにか危険な予感。





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