たりたの日記 DiaryINDEX|past|will
一説に寄るとユウトウセイビョウというビョーキがあってそれは母子感染するらしい。とするなら私は幼児期、学童期にその病気にみごと感染してしまったのかもしれない。子どもがよその親から、あるいは教師から誉められることが何より親を幸福にすることを察知してしまったためか、あるいは運動神経が甚だしく鈍く、ドッジボールを真っ先にぶつけられるような子どもであれば、教師からみんなの前で誉められたり、賞状をいただいたりすることでようやく自分の価値を認めてもらおうと苦戦したからか、幼いわたしはユウトウセイになることでこの過酷な子ども時代をなんとか生き延びる道を選択した。そして、それはそれで他から認められるという自分のポジションを確保することに成功はしたのだ。しかし、これがくせもので、このビョーキは何より自己を蝕んでゆく。本来の自分が出せないだけでなく、本来の自分が何なのか分らなくなる。ひたすら他からの評価に左右される。不評がことの他おそろしい。そしてまたユウトウセイは教師からは重宝されても、友人からはどこか煙たがられたりもし、何かと孤独なのだ。そしてそれがまた不安の種となる。
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