たりたの日記
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2003年04月15日(火) 母子感染は免れたようだけど

一説に寄るとユウトウセイビョウというビョーキがあってそれは母子感染するらしい。とするなら私は幼児期、学童期にその病気にみごと感染してしまったのかもしれない。子どもがよその親から、あるいは教師から誉められることが何より親を幸福にすることを察知してしまったためか、あるいは運動神経が甚だしく鈍く、ドッジボールを真っ先にぶつけられるような子どもであれば、教師からみんなの前で誉められたり、賞状をいただいたりすることでようやく自分の価値を認めてもらおうと苦戦したからか、幼いわたしはユウトウセイになることでこの過酷な子ども時代をなんとか生き延びる道を選択した。そして、それはそれで他から認められるという自分のポジションを確保することに成功はしたのだ。しかし、これがくせもので、このビョーキは何より自己を蝕んでゆく。本来の自分が出せないだけでなく、本来の自分が何なのか分らなくなる。ひたすら他からの評価に左右される。不評がことの他おそろしい。そしてまたユウトウセイは教師からは重宝されても、友人からはどこか煙たがられたりもし、何かと孤独なのだ。そしてそれがまた不安の種となる。

この症状を自覚し始めたのは中学校3年の時だっただろうか。その反動で高校生の時は教師批判、学校批判のリーダーよろしく、校庭でギターをかき鳴らしながらプロテストソングを歌っていた。しかし、それもかなりまじめに反抗するわけだから、それはそれでユウトウセイに変りない。そしてそのビョーキを温存したまま成長するはめとなってしまった。時にこの菌を保持していることを見破られたりする。きっと見破った人間もまたその菌の保有者ではないかと密かに疑っているが。

母子感染するらしいユウトウセイビョウはしかし、我が家の2人の男子には感染せず、彼らはみごとにその悪しき連鎖を断ち切ったもよう。彼らのかっこうだけみれば、誰しも「親の顔を見てみたい」というだろう。もう少し、身奇麗で頭の良さそうな格好をしてくれればいいのにと思いながら、どこかでこういう結果に安堵しているのかもしれない。彼らは全くもってユウトウセイではない。

でも彼ら、この社会の中でどんな風に生き延びていくんだろう。きっと私の思い描けないところで生きてゆくのだろうが。
悪いけど、後のことは知らないわ。好きにおやんなさいね。





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