たりたの日記 DiaryINDEX|past|will
どうやら彼は大学の休みの度に旅に出るつもりのようだ。自分でバイトして稼いだ金で行くというのだからとやかくは言えない。とはいっても、給料は翌月にしか入らないからという理由で毎度、私のへそくりから貸し出しをするはめになる。そのへそくりとは私がいつか海外旅行をしようとこつこつ貯めているものなのに。だから「ぜったい返す」と言われても、貸す時は全く気分が悪い。しかし、やつは母の機嫌悪さなんてものともしない。「親にお金借りてまで旅行するってどういうことよ。貯まるまで待ってから行けばいいじゃないの」と言いはするが、やつがお金を貯められないことくらい分っている。貯まるまで待ったらいつまでも行けっこないから、いやみを言われ、またうるさく借金の取り立てをされても、母親からの借金に甘んじるわけだ。父親には怖くて旅に出るということすら話せないのだから、被害をこうむるのは私だけ。ま、しかたない。そういうふうに育ててしまったわけだから。でも約束の3月25日には何としても返してもらうわ!
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