たりたの日記
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2003年03月03日(月) |
女たちは団結してセックスを拒否した 男たちが愚かな戦争を止めるまで |
この日の夕方、どしゃぶりの雨の中、青山まで出かける。3月3日の今日、ブッシュ政権のイラク攻撃に反対して、59カ国、1004箇所で同時にアリストファネスの「女の平和」が朗読劇として上演されたが、日本では青山の東京ウイメンズプラザがその会場だった。
このLYSISTRATA PROJECTのことは何も知らず、演劇をやっている友人のMが、この朗読劇に出演するということで初めて知ったようなわけだった。非戦、反戦のメッセージを古代ギリシャの喜劇アリストラータ(邦題は「女の平和」)に託して世界に発信しようというプロジエクト。またこの売り上げはイラクへの人道的支援に用いられるということだった。
アリストファネスって、確か世界史の教科書に名前が載っていたような気がするがこの喜劇については予備知識がなかったので、芝居が始まるや「ぎょっつ」となる。かなりセクシャルな、直接的な表現がぽんぽんと飛び交い、それは 露骨、破廉恥、卑猥といっても良いくらいのものだった。ところが昨今のポルノグラフィーとは全く違う、開放感とさわやかさがある。だからぜんぜんいやらしく感じないし、下半身に訴えて来るもんでもない。セックスの話題に終始しているというのに、どういうわけか、理屈っぽい言葉の羅列を聞くときのような脳への刺激の方が強い。ソクラテスやプラトンの言葉を読む時のわけわかんないけど気持ちいいといった気分と共通する。アリストファネスはBC447〜385の人だから、その当時のセックスへの感覚や女性の性へのかかわり方など、興味深もあった。また演じる女性たちがみなきりりとしていて、そんな女たちの口から飛び出す刺激的な言葉もなかなか小気味良いものがあった。
当時のギリシャはペロポネソス戦争の真っ只中、このばかばかしい戦争を早く終結させようと女たちが一致団結して行ったことというのは、男たちとのセックス拒否するということ。色っぽいすけすけの下着でさんざんに夫や愛人を興奮させておきながらやらせないという作戦や、愛のささやきを告げて男たちをその気にさせておいて体を遠ざけるといった手段に訴えながら、何日もセックスを拒否し、国中の男たちはとうとう根負けし、平和条約を結ぶという筋書き。 今日はここまでで続きは明日。
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