たりたの日記
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2003年03月02日(日) |
アマチュアの芝居にしかない面白さってある |
ミュージカルの仲間のIはもともとさいたま演劇集団「YOU」のメンバーだ。今日は午後からIが主演する「桜川」という劇を見に行く。とりわけ芝居が好きというわけではなかった私は、数えるほどしか芝居を見てきていない。ところが自分が演じるとなると他の素人の舞台はどんなもんだろうと気になり、今年は2回、アマチュアのミュージカルのステージを見たが、市民劇団の舞台は始めてのことだった。
ひとことで言うと実に面白かった。楽しんだ。プロのやる芝居とはまったく違った面白さがあると思った。昨日の日記で書いたことに通じるのだが、日頃はそれぞれ社会人として演劇人とは異なる生活をしているその多様な人生がその舞台の上に見え隠れするのである。こなれたプロの表現とは一味違う、生活者の味わいとでも言ったら良いのだろうか、そんなものが演じるひたむきさと共に伝わってきた。そのことで食べていないというのは何にしろ純粋なものがあるということなのだろう。アマチュアならではの芝居。
しかし、脚本も演技も、とてもテンポが良く、笑いのつばをきちんと押さえてあって、破綻がなく素人離れしたものではあった。じっさい気持ちよく大声を出して笑わせてもらったし、またじんわりと涙がにじみ、ごそごそとバックからハンカチを取り出したりもした。それにしてもIの演技の達者なこと。彼女の実年齢は25歳かそこらなのにこれから結婚しようという息子を持つ田舎の母ちゃんの役をみごとにこなしていた。まったく違うキャラクターを演じているのにそこにあるスピリットはまさにIさんのそれというのがなんとも不思議でおもしろいと思った。あのキャラクターを別の人が演じれば、そこには全く違った母ちゃんが出現することになるのだろうから。
劇の後、ミュージカルの仲間たちとお茶を飲みながら芝居の感想や我々の舞台のことなどいろいろと話した。確かにわたしたちの舞台は全くタイプの違うもので同じところで比べたり論じたりはできないが、同じアマチュアの舞台ということでは多いに学ぶところがあった。
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