たりたの日記
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2003年03月01日(土) |
舞台、それぞれの人生というパズルのピースをひとつの絵に仕上げていくという作業 |
3月だあ〜。 例年であれば、4月から始まった新年度が無事に終わる安堵感と解放感に浸りながら、実家へ帰省する予定などを立てている時期である。しかし今年はこの一ヶ月が正念場。この1年かけてやってきたミュージカルの公演が一月後に迫っているのだ。今の段階で50パーセントのところをこの一月で100パーセントにまで持っていかなければならない。
今日から練習が毎週入り、時間も午後1時から10時までという長丁場になる。 しかし、ストレッチや発声に始まり、踊りの練習、歌の練習、それぞれの台詞の練習とやっていくと時間はあっという間に過ぎてしまい、まだまだやることが山ほどあることに気づかされる。
2月のリハーサルの時からは芝居ができていないことに愕然として、かなり意識的に練習してきたが、今日のクライマックスのところのシーンは演出や演出助手の方からずいぶん良くなったと言われた。わたし自身、その人物になりきるということがどういうことなのかようやく掴み始めたような気がする。ただの演技ではなく、自分が消えてそのキャラクターに取って代わるという感覚。 みんなそれぞれきらりと光るものが見えてくる。それぞれの人生が舞台というひとつの絵に溶け込んでゆくのが、そこに新しいものが生まれていくのが見えるような気がする。この一ヶ月、大切にしてゆきたい。
公演のパンフレットに載せる原稿を出したがそこにはこんな文を書いた。
<パズルのピースが一つの絵に> 始まりは劇中の歌の作詞だった。ところが舞台にもということになり、気が付くとママの役のみならず、音楽担当の大役までいただいていた。小学生の頃に習っていたバレー、中学生の時に演じた2つの主役、大学時代の声楽や作曲法、小学校教員時代の歌唱指導、子育て時代の語り、ニューヨークで見たいくつものミュージカル、プロから受けたヴォイストレーニングと、これまでの私の人生で拾い集めてきたいくつものパズルのピースがこのミュージカルを作るということでひとつの絵になっていくような感慨があった。それはここにかかわったそれぞれの人にいえることだろう。人生は舞台。そして今度は舞台に人生を乗せる。それぞれの人生というパズルのピースが一つの絵になる。
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