たりたの日記
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2003年02月10日(月) |
愛のソネット1 < 魂から魂へ > |
2月、店先にチョコレートが山済みにされ、制服の女の子たちが一心にチョコレートを探している。そのひとりひとりの胸の内にはどんな切ない想いがしまわれているのだろう。 この季節、愛の詩を読みたいと書架を探す。中学生の時に初恋の君からもらったハイネの詩集はまだ手元に残っているものの、その昔愛読した詩集や言葉集の多くを見失ってしまったことに気づく。そんなにも長い間、愛の詩集を開くことがなかったのだ。手元にシェイクスピアのソネット集がある。この英詩の翻訳を試みようか。いいえ、それよりはソネットの形式を借りて自分の言葉でわたしの愛のソネットを紡ごう。忘れてしまったものを思い出すかもしれない。気がつかないでいるものを見出せるかもしれない。 この一週間、一編づつ、愛の詩を詩ったソネットを載せていこう。 そんな2月の試み。
愛のソネット 1 魂から魂へ
わたしがわたしの言葉を愛するように わたしはあなたの言葉を愛する わたしがわたしの時を愛するように わたしはあなたの時を愛する
お互いを見つめ合うのではなく 遠いかなたに目を注いで あなたとわたし、異なる空間で呼吸し それでも共に生きている
あなたがあなたの音を愛するように あなたはわたしの音を愛する あなたがあなたの場所を愛するように あなたはわたしの場所を愛する
ある時、それは身を切るような痛みを伴うとしても 強靭に愛し続けていくことをわたしたちの魂は知っている
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