たりたの日記
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そういえば昔はよく鬱々としていたものだった。何か自分でもコントロールできないものに掴まれ、心はどこかうつろでどこかに自分を置き忘れているような所在無い感覚。 中心をほんの少しずれただけでも、垂直の線から離れてしまう。そうすると自分がひどく頼りないものになる。自分の中にあるすべてのものが疑わしく感じられる。 わたしはわたし。たとえ誰がどういう評価をしようと、どのようなエネルギーを向けようと、あるいは自分の世界の中に取り込もうとしても、わたしはわたしでしか在り得ない。 この混乱にも似た想いはしかし、ある意味でわたしの馴染みの感覚でもある。こうして揺すぶりをかけられながら、わたしはわたしにとってのほんとうを見つけようとしてきたのではなかったか。 誰も侵入することのできないわたしだけの静謐な場所。 心はその場所からあてもなく彷徨い出る。
行っておいで わたしの こころよ そしてまた帰っておいで
八木重吉の詩にこんなフレーズがあったのを思い出す。 鬱々とするのであれば、その心に付き合ってもみよう。それもまたわたし。 帰ってくるところは分っているのだから。
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