たりたの日記
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2002年05月16日(木) ネットで出会うということ

ネットで人と人とが知り合うということ。顔も知らない人、一月前にはその人の存在すら知らなかったのにわずかな時間とわずかな言葉のやり取りで、その人が近くなるだけでなくその人の人生や命の重みが迫ってくる。そうして見えない相手と歩みを共にしていく。
しかし見えていないのだろうか。視覚的には見えないがその人間のエネルギーはおそらくは体という目に見えるもので覆われているよりも、はっきり見えるものである。
いったいどうしてネット上で日記を公開したり、誰もが読める掲示板の上に自分を顕すのだろう。

私はこの命が限りあるものであり、命の保障などどこにもないからだという気がしている。この世に、この地上に、この瞬間に、私というひとつの命が生きているということを自分に、また世界に知らせたいからだと。人が読もうが読むまいがそれにはあまり関心はない。自分を自分の外に出すという作業がしたいだけである。

その人のサイトには命のきらめきのようなものが満ちていて惹かれるものがあった。病を負っていること、シリアスな状況のなかで綴られた言葉だったことを知る。その言葉にみな慰めを感じているようだった。慰めはそういうところを通ってしかこないのかも知れない。イエスがやがてくる十字架を目の前にしながら自分を人々に晒していったことを思う。その激しさや一途さを思う。


たりたくみ |MAILHomePage

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