たりたの日記
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2002年04月06日(土) 春咲小紅

一夜明けて、腿の筋肉は痛いが足腰が立たないということはなかった。それよりも新しいことに目覚めたためか、それとも満開のチューリップからやってくるエネルギーのためか、ふわふわと宙に浮いているような陽気さで朝を迎えた。しばらく聞いていなかった矢野顕子のCDアルバム「ただいま」をかける。今朝はそんな気分だ。
ふと、ふるさとを後に羽田空港へ向かう飛行機に乗っていた21年前の春の日のことを思い出した。あの時、空の高いところから雲を見て口づさんでいたのはこのアルバムにある「春咲小紅」だった。生まれた町から、親から、仕事からも離れて知らない土地で新しい暮らしを始めることが何ともうれしかった。新婚生活とか主婦とか外側にはそんなラベルを新たにくっつけていたのだろうが、実際は初めて誰からも所有されていない自由な身の上になったという開放感に浸っていた。積まれたダンボールの箱を開けている25才の私。団地の2DKには春咲小紅がテーマソングのように流れていて。


たりたくみ |MAILHomePage

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