たりたの日記
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今日は英語学校で私の担当している「幼児とお母さんのクラス」のおさらい会。3クラス合同でやるので親子で30名になる。こういう企画は初めてなので昨日からなんだか落ち着かなかった。子どもたちが集中してくれるだろうか。でんでばらばらになったらどうしよう。なにしろ3歳から6歳までの子どもたち、同情や協力ははじめから期待できない。楽しくなければ容赦なくそっぽを向かれる。いくらシュミレーションをしても実際やってみないことには分らない。私一人でやるはずだったが、日本語の達者なアメリカ人のTが応援に来てくれることになり心強い。
はじめの一時間は4月から今までやってきたことを順におさらいしていき、間に英語の絵本の読み聞かせと3匹のこぶたのパペットショーをはさむ。その後、外の芝生に出したテーブルを囲んでみんなでケーキや飲み物をいただくという計画だ。子どもたちにゲストだといってTを紹介すると、緊張しているがこれは良い作用をもたらすなと感じる。子どもたちも4歳以上になると「かっこよく見せたい」という気持ちが働く。見学者があったりすると無意識なのだろうがふだんよりもはりきってやるのである。
全員が集まるまでギターを弾き、元気のいい英語の歌を歌っていった。みんながそろったところで、ひとりづつTに自己紹介をし握手をする。ここが英語クラスのいいところである。日本語なら「わたしは○○です。はじめまして」などと3歳の子が言ったりするのはなんか変だが、英語だとそれはごく自然なこと。どの子もTの前に立って神妙な顔つきで "My name is○○. Nice to meet you." と言っていた。その表情のかわいいこと。一番の腕白坊主も今日はぴりっとしている。
今までに習った歌をはじめからいっしょに歌い、歌遊びや手遊びをやっていったが、今までにないくらい全員の子が心をひとつにしてやや興奮気味に歌う姿にびっくりする。これは集団の力なのだろうか。わきあがってくるような喜びが子どもたちの表情の中に見えた。クラスの最後はBig Hug。 ”Give mom a big hug" という掛け声で子どもたちはお母さんにハグするのだが、年長児ともなるときまりが悪そうにしてお母さんに抱きつけない子もいる。 ”Give me a big hug." 今度は私に。私とは英語モードの中にいるからハグも抵抗なくできるのか、子どもたちからの笑顔と強いハグは何よりものプレゼントだった。
言葉はその向こうに文化をくっつけている。私は英語をよその国の言葉として教えるつもりはない。もはや英語は人類が共有する言葉、わたしたちの言葉でもある。その向こうにある文化だって同じ地球のどこかから生まれた人間の文化なのだから私たちのものであってもいっこうにかまわない。その文化や習慣が自分の心に合うのであれば。真似をするのではない。この日本という国の枠の外に自分を広げることだと思っている。実際子どもたちはごく素直にその言葉や言葉のむこうにあるものを自分のものにしていく。
心配するほどのこともなく、一時間はあっという間に過ぎ計画していたこともすべてやることができた。夕べせっかくタイプした3匹のこぶたの人形劇のシナリオは家に忘れてきてしまったけれど、かえって子どもたちの顔をみながらやれたからよかった。子どもたちは英語の台詞のところも集中して聞いてくれていたが、英語はちょっとあやしかったな。今度Tに聞いてみよう。 4時過ぎ、風も出てきて外は少し寒かったが、外に出てお向かいのベーカリーのおじさんが作ってくれた苺のショートケーキとアップルパイをいただく。 これを持って2001年度の英語クラスは終了。このおさらい会、なかなかよかった。来年もやることにしよう。
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