たりたの日記
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私という人間は直前というのがかなり苦手だ。たとえば旅行ともなると何日か前から持っていくもののリストや留守の時の食事のリスト作りや買出しをしないではおれない。別にそれを楽しみにしているというわけでもない。実際出かける2,3日前というのが一番精神状態が良くなく、「どうしよう」と心はあせっている。「だから家を開けるのはいやなのよ」と夫にぐちってみたりかんしゃくをおこしそうになる。昨夜から今朝にかけてがその最悪の状態だった。これを私は出発前緊張症候群と呼んでいる。
義父が私の作ったバナナケーキを気に入ってくれて今度来る時には持ってくて欲しいということだったので、それを何時作るかで迷っていた。一番良いのが前日の木曜日に作って当日持って行くことなのだが、そうすると何かハプニングがあった時にパニックになってしまう。また焼きあがるまでは荷物詰めができないので緊張が持続する。そこで火曜日の夜に焼き、他のお土産類といっしょに翌日仕事に行く前に宅急便に出す予定だった。ところが昨日は英語のクラスに2人見学者があって、そのうち4時半からのクラスはその日に急に連絡があったので体験学習が可能になるように直前になってレッスンプランを変えたりと「直前」の変更を余儀なくされたこともあってなんだかへとへとに疲れてしまった。幼児に英語を習わせたいというお母さんの中にはしばしば超教育熱心な方がいて、日本人の英語教師に対しては厳しいチェックの視線が向けられる。そしてそういう方のお子さんに限って無表情でノリが悪い。そうなるといつものクラスの10倍くらいのエネルギーを消費することになるのだ。という具合だったから夜はとてもケーキを焼く気力がなかった。
そこで一夜明けて今朝、仕事に出かける前にケーキ焼きと相成った。ほんとは仕事で出かける日は洗濯を干す以外の家事はめったにしない。心のゆとりがないのだ。しかし今日はそんなことも言ってはおれない。主人の実家の分と私の実家の分、そしておいしい匂いだけかがせて家族に食べさせない訳にはいかないから家族の分のも焼くのだ。小麦後8カップとバナナ8本分の大量のケーキとなる。さて焼けたケーキをなんとか冷まして他の荷物といっしょに梱包して宅急便に持っていかなければならない。初めはしっかりしたキャスター付きのスーツケースに着替えなど滞在中の荷物といっしょに詰めたのだが、どうも中身の割りにケース自体が重くて不経済だ。そこでいったん詰めたものを全部出して、再度ボストンバッグに詰め替える。ところがこれだと上に荷物を詰まれてしまえば、バッグの一番上のケーキはぺしゃんこになる危険性がある。これもだめ。また全部出して今度はダンボールの箱に詰め替える。これだと宮崎から大分に移動する時、手持ちで行くわけにはいかなくなるが荷物を送ればいいか。よしこれで決定。宮崎への荷物と大分への荷物をそれぞれの箱に詰め、電車に乗る前に駅前のコンビニに荷物を預ける。ここでやっと緊張が解け、私は晴れて「出発前緊張症候群」から開放される。荷物を送ってしまえば、あとは楽なものだ。そしてあたふたとあせりまくるわりには前日や当日の朝はかなりリラックスして優雅にすごすというきまりだ。こうしてパソコンに向かって長々と書くことだってできる。
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