たりたの日記
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建国記念日。それはおかしいと異議を唱える人達(私もその一人だが)にとっては「信教の自由を守る日」。そして個人的には私たちの結婚記念日。 こんな寒い日に良く結婚式を挙げたものだ。けれども、ウエディングドレスのままで外にいられるくらい暖かな良いお天気の日だった。 おかしな変わった結婚式だった。みなが成人式や卒業式に振袖を着るのに一人ツムジをまげて着なかった私だったから結婚式場の言うなりに演出される結婚式は我慢ならなかった。手作りの結婚式、それはそれで苦労もあったのだが、悪いことは記憶からずんずん抜け落ちていくから今になってみれば吉田拓郎の「結婚しようよ」の歌のような結婚式だったなあとなつかしい。 花婿は肩までの髪をその時までには短くしていたが、「町の小さな教会で」と「仲間を呼んで花をもらおう」のフレーズはそのままだった。花に限らず、レコード(CDなど存在しなかった)や本や自作の詩や短歌や書や手作りの絵本をもらった。お祝儀は極力お断りし、私たちは引き出物の代わりに八木重吉の詩集を配った。
21年もたってすっかり白髪混じりの頭になった私たちは朝から文庫本を片手に温泉に浸かって一日過ごし夜は映画館のレイトショーで夜中まで遊んで帰るという身分になっている。今はデリバリーのピザだってあるもの、子ども達は「どうぞどうぞ」とこよなく機嫌よく送り出してくれるわけだ。 「21年、良く飽きもしないでいっしょにいられるもんだね。」「変わった?変わらないよね。見掛けほどにはね。」こんな平和な会話はこれからの結婚記念日にも同じように繰り返されるのだろうか。先のことは分らないけれど今の平和を有難く思う。
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