たりたの日記
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2001年10月12日(金) |
ローズマリ−のリース |
自分の家の庭でも、私はあまりまめに草抜きなどせずに、ハーブや花といっしょに雑草も大きくなる。 同じ植物なのに、差別をするようで、雑草を抜く時、ちりっと胸が痛む。 けれども雑草というのは、何か特別にワイルドな力があり、あまりに無視するうと、他の植物にも影響を及ぼし、手が付けられない状態になってしまう。 そういう状態にならぬうちにやはり手入れは必要なのだ。
教会の敷地の隅に今はもう誰も住まず、何にも使っていない小さな家があるのだが、この夏、何のケアもしないままだったので、家全体を草が覆うほどになってしまっていた。 今日はクラスもないし、夕方まで時間があるので、婦人会の後、できる分だけでも草抜きをしようと思い立った。屋根ほどの高さになった草でも、草は草。それほど苦労なく抜ける。フェンスにからまったつる草もばさばさと剥がしていった。これほど、夏の間好き放題に伸びたのだから、もう許してもらってもいいだろうとそんな気になるほど、ゴージャスな雑草だった。フェンスにからまったつる草をはがすと、なんともいい匂いがしてくる。見るとローズマリーの大きな株がつる草にからまれながらも、逞しく枝を広げてみごとに生きていた。誰かが植えたものの忘れられてしまっていたのだろう。 枝を刈り込むとローズマリーの枝はビニールのごみぶくろにいっぱいになった。教会の中に持ち込むとあたりがローズマリーの香りでいっぱいになる。英語学校やバイオリン教室にいらしている方々に持って帰っていただこうと入り口に置いておいたが、それにしてもたくさんの枝だ。そうだ、ローズマリーのリースを作ろうと思い立った。
私が子どもの頃に行っていた教会では11月の終わりともなると、教会の玄関先で、牧師先生がリース作りをしていた。教会のまわりの常緑樹の枝をたくさん刈り込み、藁を丸く束ねて芯にしたものに緑の葉のついた枝だを針金で固定しながら巻き付けていくのだ。枝は思いの他たくさん必要となる。いい匂いのする緑色の環が出来上がるとそれに赤いリボンを巻きつけ、ろうそくを4本立てる。さらに赤いリボンでその環を四方からつるし、礼拝堂の高い天井につるすのである。実はこれはリースではなく、アドベントクランツと呼ばれるもので、アドベントに入った週の日曜日から、毎日曜日ごとにろうそくに点される火が一本づつ増えていき、4本のろうそくに火がともった日曜日がクリスマスの礼拝をする日曜日だった。
ふくろいっぱいのローズマリーもワイヤーで結わえながら環っかにしていくと、ひとつのリースにまとまってしまった。クラスを終えた英語学校の生徒たちが立ち止まってはのぞきこんでいく。ちょうど、その昔、牧師先生がクランツを作るのを見ていた私のように。子どもたちは理由もなく、植物で何かを作るというのが好きなのだ。出来上がったリースを壁にかけるといい匂いがさらに広がった。赤いリボンで巻くとクリスマスリースになるがクリスマスにはまだ早い。世界の平和を願って黄色いリボンを巻くのはどうだろう。
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