たりたの日記
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すごいざんざん降りだった。 午後から仕事だが、 やみそうな気配はない。
モンスーンパーカーという名の ランズエンドで買った防水ジャケットを引っ張り出す。 バックには替えのズボンと靴下を入れ、でかけに替えのスニーカーを持って行くことを思い付き、ビニールバッグに入れる。
英語学校。 小さい子を自転車に載せてクラスに来るお母さんはこんな日は困ってしまうだろう。お休みの連絡がいくつか入る。 そういえば、こんな日があった。 ざんざん降りの中、2歳と4歳の子にそれぞれ雨がっぱを着せ、自転車の前と後ろに乗せて町の図書館まで行った。 おはなしの練習の日だった。そんなにまでしてでかけたのは、私がおはなしをする番に当っていたのだろうか。それとも何が何でも出かけるのが当時の私だったのか。そうとすれば、こどもたちはさぞかし迷惑だったことだろう。 帰りの自転車で、雨の中というのに子ども達が寝てしまった。 畑の間の狭い道、曲がった道だった。濡れた道ですべったのか、前と後ろでぐらぐらする子どもたちのためにバランスをくずしたのか自転車は3人を乗せたまま、横に倒れ、道の下のぬかるみに落ちてしまった。 眠りからいっぺんに落っことされてしまい二人は大泣き。 私も泣いたのだろうか。べそくらいはかいたにちがいない。 雨がっぱを着たお母さんと子ども達を見送りながら、もうすっかり忘れていた一こまが突然に記憶の底から甦ったきた。 あの雨の日といわず、ずいぶんあぶなっかしい育児をしてきたものだ。今さらながら、ひやりとする。
帰りになってもまだ雨は降っていた。暗い夜道を傘をさして歩くのはいやなものだ。歌を歌いながら歩いた。少し前を歩いているスーツ姿の女の人が後ろを振り返ったがかまわずに歌う。「グリーンスリーブス」をハミングで。 玄関を入って、手に下げていたビニールぶくろの替えのスニーカーを電車の中 に忘れてきたのに気が付いた。先週買ったばかりのスニーカー。 雨の日ってついてない。
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