たりたの日記
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今日は休日らしい休日だった。 午後から夫と車で40分くらいのところにある古墳公園に行った。 スパンと開けた草原が気持ちの良い場所だ。 ここへは子どもたちが小さい時に何度か来ている。たいていはボールやブーメランを持ってきて遊んだような気がする。お正月に凧を持ってきて上げたこともあった。下の子を私がおぶって上の子に凧を上げさせている写真が残っている。 もう子どもたちを連れてくることもない。バスケットには古いシーツと本とペットボトルのお茶と簡単なものである。木陰の草原に古いシーツを広げ、寝転がる。 頭上いっぱいに広がる青空。下から見上げる木。葉は陽の光りに透けてそれは緑色のステンドグラスのようだった。草原は地面すれすれの視線で見ると途方もなく広く広がっている。背中には少し湿った草の、そしてその下に続く黒い土からの冷気が伝わってくる。 「子どもが大きくなるっていうのはいいもんだね。」 そういいながら、お互い、持ってきた本を広げる。 私は「魂のみなもとへー詩と哲学のデュオ」(谷川俊太郎/長谷川宏)を読む。今月の始めに出たばかりの本。久し振りに買った新刊だ。 詩とそれを受けて哲学者が書いた文章が交互につながっている。韻文と散文との異なった味わい、詩人と哲学者の異なる視点、二人のパーソナリティーの違いが二つの異なる楽器のようにおもしろく、また心地よいデュエットだった。 未来という題の詩があった。 青空へむかって僕は竹竿をたてた それは未来のようだった というフレーズで始まる詩だ。 実際、私が広げた本の向こう側に広がる青空はどこまでも続いていて、私はその広さの中にとけこんでいくような気分になっていた。
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