たりたの日記
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すっかり秋。 10日振りに夫の運転する車で出かける。 あの忌わしいテロ事件以来、気持ちが晴れることがなく、また夫がオランダに出張中だったこともあって、何かずっと内にこもっている感じだった。 太陽の陽射しが新鮮で、深々と息をする。 こんな世界のただ中にあるけれども、ともかく命を与えられている。この命を愛おしもうという気持ちになる。
午前中は、Mちゃん(従兄の子ども)の高校の文化祭へ出かけ、彼女が出演するうファッションショーを見る。服飾デザインのコースで学ぶMちゃんは自分でデザインし、縫った服を着て、ショーに出るのだ。彼女のは母親を7年前に亡くしている。久し振りに会ったMちゃんは前よりも母親に似てきたと思った。母親のJさんはこの世界にはいないけれど、しっかりと娘達の歩みを支えている、彼女たちが逞しく自分の道を切り開きながら歩いている姿を見るたびにそう思う。来月はJさんの命日だ。
午後はK市にある日帰り温泉へ行く。ここは水着で入れるテルマがあるので、泳いだり、ウオーキングをしたり、またリクライニングチェアで読書したりして過ごす。「ローズ メリー ローズ」という本を読み上げる。また始めてアカすりエステなるものをやってもらう。アカすりは韓国からきたものと聞いているが、そのブースでアカすりをしている3人の若い女の子たちはみなラテン系で、さかんに国の言葉で話しながら仕事をしている。「痛く無いですか」とかなど、客に対しては達者な日本語で対応している。どこの国の言葉か聞くと、ポルトガル語、ブラジルですと答えてくれた。
食事の後、スクリーンのある仮眠室に行くと何と「ダンサー・イン・ザ・ダーク」が上映中だった。音量がかなり下げてあり、ほとんどの人が寝ているようで、あの映画館のような緊迫感などどこにもない。 それでもやっぱり泣けた。何回見ても、どういう場所で見ても、私は文句なしにこの映画に泣いてしまうのだ。この数日間、泣きたくても泣けない鬱々とした気持ちが涙になって溶け出していくようで嗚咽しながら癒されていた。 帰る前にまた温泉に戻る。外気がひんやりとして露天にはいい気候になった。 岩によりかかり、地中深いところから沸き上がってきた泉に身を浸す。夜中の12時過ぎに帰宅する。
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