たりたの日記
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朝に
この静けさはいったい何 音は聞こえている 遠くの犬の声 車のエンジン 走り過ぎるオートバイ それなのに静かだ、深々と
すべてのものが眠りの中から起きいだし 今日という日を始めようと いっせいに深呼吸をしているのか 夜の夢のなかに淀んだものを溶かし出し きれいにすすがれてしまったのか
けたたましい目覚まし時計の音で始まる朝 フライパンの上でソーセージが弾ける音 テレビのニュースにまじる家族の話し声 さまざまに音を立てながら あちこちにとびまわる そうするうちに 嵐のような喧噪は 去った
みんなが家を出ると もうここに音はない 部屋の隅々に静けさが溜っている ああ、でもこの静けさ 入り口がしっかりと閉じられたこの部屋の中に 透きとおった水が ひたひたと湧きおこり 下の方から静かに満ちていくようなのだ 部屋の隅のうす青いような空間 そこへと向かって呼びかけた
「あなたがそこにおられるのですね。」
すると、それへの答のように その透きとおった水が わたしの足の裏あたりから体内へと流れ込み 体の方々にまでゆきわたった 今朝いただいた新しい命 今日それを生きようと思う
去年の9月に書き留めていた詩を、今日思い出した。サイト「空と嘘」に谷川さんの朝をテーマにした詩が掲載されていてその感想を書こうとして思い出したのだった。それまで詩を書くことなんて全くなかったのに、突然のように言葉が降りてきたものだから、うれしくなって、友人たちに、秋のごあいさつといっしょにメールした。 何か説明っぽいなあと、不満だが、ここに書いていると、どなたかに技術批評もしていただけるかも知れないと載せてみた。
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