たりたの日記
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2001年06月18日(月) 聖三木図書館

上智大学のキャンパスの中、上智会館の2階に聖三木図書館はある。三木の名称は1597年に長崎で殉教した26聖人のひとり聖三木パウロに由来する。
木造の古い建物の階段を上がると、二階がすぐ図書館の入り口になっていた。一歩足を踏み入れるや好きな場所だという印象を持った。新しく明るい広々とした図書館もけっして嫌いではないが、昔の学校や公民館の図書館に等しくあった、古い本たちの息づかいが感じられるようなあの空気は新しい図書館にはない。少し暗い書架と書架の間で本たちはひっそりと呼吸している。その中から一冊を取り出し手にする時、本からすでに伝わってくるものがあって、そんな時は、これがわたしが出会うベき本だと思うのである。
私の家から四ッ谷までは電車で1時間半以上かかるし、こんな遠くの図書館から借りなくてもよさそうなものである。しかし、私は手にした5冊の本を書架に戻す気がしなかった。借りて帰ることにした。この図書館は外部の人間にも開かれていて、会員の8割が外部の人ということだった。年会費千円を払って会員になる。期限は3週間ということなので、3週間ごとにここに通ってもよいと思った。キリスト教関連文献や資料、また関連作家の作品を中心に、和書27,000册、洋書23,000册の蔵書がある。書架にある、どの本も興味深かく、1日居ても飽きないだろうと思った。
高橋たか子の「放射する思い」、「境に居て」、中川成美編の「高橋たか子の風景」、遠藤周作の「『深い河』創作日記」、菊池多嘉子著のマリア・テレーズの伝記「果てしない希望」の5冊を借りて帰る。先週の土曜日のことである。


たりたくみ |MAILHomePage

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