たりたの日記
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足跡 ある夜 男は夢を見た 主と共に浜辺を歩く夢だった 空には男の人生の場面が照らし出され 砂の上には2組の足跡が残った ひと組は男の足跡 もうひと組は主の足跡 最後の場面が照らし出され 男は砂の上の足跡を振り返った 男が歩いてきた道の多くに 足跡はひと組だけだった。 それは 男が打ひしがれた場所 悲しみにくれたところ
男は困惑し、主に尋ねた。 「主よ、私がひとたびあなたに従うと決心したなら、 あなたはずっと私と共に歩いてくださると 言ったではありませんか。 それなのにどうです 私が一番苦しんでいたときの足跡はひと組だけです。 私には分からない あなたを最も必要としていた時に なぜ あなたがわたしを置き去りにしたのか。」
主は答えて言った。 「私の大切な 大切な 子よ、 私はおまえを愛している。 私はいっときもおまえから離れはしなかった おまえが試練や苦悩のなかにあった時 たしかに足跡はひと組だけだ しかし、それは私の足跡 私がおまえを 負うて歩いたのだから。」
原題 Footprints 作者未詳
訳詩 たりたくみ
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