たりたの日記
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ひょっとして、わたしは1年間、この日の朝を心待ちにしているのではないかしら。 我が家では母の日の朝は夫が朝のテーブルの用意をする習わしである。 僕は息子じゃないのにと夫はこのごろは文句をいう。でも別に、味噌汁を作るわけでも、魚を焼くわけでもなく、せいぜいコーヒーを入れて、パン屋から買ってきたパンを並べるくらいなものである。たったそれだけのことなのに、わたしはそれを楽しみにしている。というより「明日の朝は楽しみだわ。パンなんかもう買ったの?。」などと、ほとんど無理矢理、その日のささやかな権利を行使しようとするのである。なんていじましいというかいやらしいというか、、、。 でも、この気持ち、日々朝一番に起きて、朝食の支度をしている多くの妻や母親たちは分かる、分かる、と言ってくれるにちがいない。
まだ、ベッドの中にいるうちに下から、コーヒーの良い香りがただよってくるのである。夫か息子が「朝ごはんだよー」と、呼びにくる。そのことがなんとも幸せに思えるのである。それは、そのことが年に一度のことだからなんだろう。毎朝、コーヒーの匂いが下からただよってきていて、寝ぼけ眼で起きてくれば、テーブルに朝食が並べられている我が家の男達にとって、それは太陽が出ているくらい当たり前のことなのだろうから。 かくして、今年の母の日の朝も、わたしは無事、夫の入れるコーヒーを飲むことができた。満足である。
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