たりたの日記
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朝、みなが出払った後、iBookに書いていたら、うっかり10時になっていて、ゴミを出しそびれ、ヨガに出かける時間も過ぎていた。わたしは化粧するのをあきらめ、自転車に飛び乗り、田圃の道をぶっとばした。と道脇の草地に美しいかわった形と色の鳥がいる。私は自転車を止めた。それはキジだった。 あの、犬やさると共にももたろうの家来になったキジである。 見ていると、かなりの速さで、ちょこちょこと草原の中を駆けている。何かパニックになっているようにも見える。道の反対側に目をやれば、この前まで、草が生えるに任せていた草原がすっかり整地され、黒ぐろとした土が盛られている。 このあわてふためいているキジは隣の草地に棲息していていたに違いない。 そして、住む場所を取られ、あるいは家族と別れ、パニックになっているのではないかと思った。 キジは私のすぐそばにいる。無駄とは知りつつ、テレパシーを送ろうとする。 「落ち着いて、大丈夫だよ。」 キジはかん高く、不思議な声で、一声鳴いてどこかへ飛んでいった。 この町から、キジの住める場所がなくなるようなことがありませんように。
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