たりたの日記
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2001年05月09日(水) こういうのタイプなの

昨日の日記で男についてずいぶん悪く書いてしまった。
「ショコラ」はラブストリ−でもあるわけで、私がいくら現役を退いているからといって 主人公が愛する男を無視する訳にはいかないでしょう、やはり。
その男というのはジョニ−・ディップの扮するさすらい者のルー。
ボートを住まいとするジプシーだか、ヒッピーだか。長い髪を後ろで束ね、口数が少なく静かな眼差しを持っている。さりげなく彼女の店のドアを直してやったりする。久し振りにいい男を見たという気がした。隣で見ていた連れに「かっこいいね」というと「こういうのタイプなの、知らなかった。」と言う。けれど、彼もこういうの好きなのは知っている。というか、その昔、彼はこんなだった。けっして ジョニ−・ディップのようにかっこいいわけじゃないけれど、お金とも地位とも無縁にさすらっていた破れたシャツとジーンズの少年に私は「つば」をつけた。父親の支配や小さな町のしがらみから逃れ、その少年の漕ぐボートに乗り移って、どこまでもさすらってゆくのは楽しそうに思えた。少年は父親になり、おじさんになったけれど、そして家まで持ってしまったけれど、私たち、やっぱりさすらっているという気がしている。


たりたくみ |MAILHomePage

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