たりたの日記
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ずいぶん前のことになるが、団地の3Dkで文庫をやっていたことがある。 毎週木曜日の午後1時から5時まで、団地の子供達がたくさんやってきた。ほんの貸し出しの他に、お話の時間もあり、3人の文庫仲間と交代で、おはなしと読み聞かせをした。それは楽しい図書館ごっこだった。みな子どもの本を学ぶ会で勉強もしていたから、文庫はいわば学びを実践する場でもあった。掃除機をかけながらおはなしを覚え、夜はわが子相手に練習をし、文庫中心に生活が回っていた。 文庫の仲間の子どもたちも、我が家の子どもたちもとなり町にある、一年中はだしでどろんこまみれになって遊ぶ幼稚園に通っていた。子育てにも、子どもの本にもそれなりの自負とこだわりがあったのだ。
今日はしばらく振りでその頃の文庫仲間、子育て仲間とお昼を食べながら話しに花を咲かせた。 あの頃幼稚園に通っていた子どもたちも、社会人、大学生となっている。 われわれも30代前半から、そろそろ孫を抱くかも知れないなどと話す年になっている。それぞれに違った場所で違った仕事をしているのだが、それぞれいろんなことを乗り越えてきたのだが、変わらないものがある。しみじみとうれしかった。 あのころ、わたしたちに共通していたのは子どもを育てるけれど、自分も育つということだったし、自分の子を育てるけれど、よその子も育てるということだった。 たくさんの子ども達とかかわり、たくさんの絵本と出会い、たくさんのおはなしを覚えて語り、そんな中での子育てだった。なんと恵まれた子育て時代だったことだろう。おはなしを食べて大きくなった子ども達、それぞれどんなふうに歩いていくのだろう。見守っていきたい。
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