サーモンピンク・フラミンゴ
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2003年04月18日(金) 文体イメージはリアル口調をどこまで具現できるのか

今回、セクシュアリティには全然関係ない話題でございます。

サイトの管理人さんというのは、それぞれ独自の文体や雰囲気を持っていらっしゃるわけですが。
こう、テキストを読んでいて、なんとなく勝手に口調を想像してしまったりしませんか?
ミョーに早口に感じる文体ですとか、声の大きそうな人だなと感じる文体ですとか、逆に声小さそうとか。


村上春樹をせっせと読んでいた頃。

・・・村上春樹ズキ、というだけで何かもう、偏ったイメージができあがってしまいそうで怖いんですが。
遙か昔、たまたま本屋で「カンガルー日和」という短編集を見つけて(かなり初期の作品ですね)読んで気に入って、「羊をめぐる冒険」で興奮し、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」でその世界観にメロメロになり、「村上朝日堂」シリーズでケラケラと笑っていたのですが、「ノルウェイの森」で私と村上春樹様の蜜月は終わってしまいました。
「スプートニクの恋人」にいたっては「あまりにも想像上だけの」レヅイメージに落胆すら感じてみたり。

気付けばまた話が脱線しておりますが、村上春樹の文体から想像される話口調について話したかったのです。

ワタシはずっと、彼の文章を読むときは、脳内で「おっとり口調」にて読んでおりました。
おっとりしていて、ちょっぴり気の弱そうなソフトな声で。
ワタシの中ではとてもそれがしっくり来ていたんですね。
そしてある日、「夢のサーフシティ」という、彼のサイトでの文章をまとめた、CD-ROM付きの単行本を購入いたしました。なかなか楽しいものでした。

が、そのCD-ROMの中に、イラストレーターの安西水丸氏との対談が「聞ける」という企画があったのです。

聞いてみました。わくわく。


「ぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺら」

ミョーに低くて、そしてとても早口な、自信に満ちたこの声。  え?え?

あなたは誰ですか村上さん。

「村上さん」と呼びかけている時点で誰だかはわかっていそうなワタシですが、もう、とてもびつくり。
そしてショック。
ピンクレディが実は実は透明人間なーのーでーすー、なんていうのより、ずっとショックです。
(また若い人にはわからない冗談をスミマセン)

エッセイなんかを読むと「僕はせっかち」という言葉がたまに出てくるのですが、なるほど、せっかちそうなしゃべり方です。


イメージの崩壊というのは恐ろしいものです。

その後のワタシは、村上春樹の文章が読みづらくなってしまいました。

これ、「ワタシの中のイメージの崩壊」について述べているだけなので、あの声にシビレてしまったという読者の方もたくさんいらっしゃると思いますよ。
なのでスミマセン、全国3億人の村上春樹ファンの皆さま、怒らないでください。
村上春樹ファンの方が全国民の数より多いじゃないかとかもあまり気にしないでください。
氏の初期の作品は、いまだに深く深く愛している私でございますので。
「カンガルー日和」なんて、100回じゃきかないほど読み返しておりますですよ。
こんなこと書いていたらまた読みたくなってきちゃったな。

それでですね。

ワタシの文章って、読んでくださっている方の中で、どんな声と話口調で頭に響いているのだろう、なんて思ってみたわけです。

ちなみにリアルのワタシはですね

・どちらかというとゆっくり話す
・抑揚は基本的にあまりない
・表情は笑顔。というよりにやけている
・「なむなむ」しゃべる
(よく言われるです。でも「なむなむ」って何?)
・声質はどちらかといえば高い
・かわいい
(<激しくウソです)
・実は会話はすべて英語(<もっとウソです)

という感じでしょうか。
ビジネス仕様のときはまたビミョーに変わってくるのですが(少し利口そうにしないとヤヴァイですからねえ)。

いかがでしょう。
文体とイメージが違ってしまっていたでしょうか。

「その後のワタシは、じょりぃの文章が読みづらくなってしまいました」とか言わないでくださいお願いします。


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